国分寺台の祇園自治会館で、毎週水曜と金曜の午前(1〜3月は昼過ぎまで)に行われている『どんぐり学級』は、お母さんたち20名が自主運営する保育グループ。満3才の子どもが対象で、専任の保育スタッフ2名は、教育現場の経験者。4月の入級式から始まって翌年3月には卒級し、運営するお母さんたちも次に入級する子どものお母さんに役を引き継いで離れる。毎年メンバーが替わりながら20数年続いてきた活動を取材した。
グループの立ち上げは公立幼稚園が1年保育だった時。地域の親たちが保育スタッフを雇い、4歳児の『つくし学級』を始めたことからだった。幼稚園が2年保育になった9年前、『つくし』に子どもを入れていた親たちが、入級年令をひとつ下げて3才児にし、『どんぐり学級』を作った。「この学級は『子どもたちの友だち作りと自立の応援』を主旨として、親と保育スタッフが一緒に子どもたちの成長を見守っていく所です。基本的に預かり保育ですが、子どもがお母さんと離れず、不安であればついていても構いません。子どもが自然に親から離れるまで、自分の子も他の子も隔たりなく、みんなで協力し合ってやっています」と今年の役員、天羽孝子さんと田中奈津恵さんは話す。ふたりは、上の子どもの入級年が違うが、ともに『どんぐり』の運営経験者だ。
ふだんの学級の活動は子どもたちの遊び中心。朝9時半に集まった子どもたちは、様々な道具のあるフロアで自由に遊ぶ。粘土や紙切り、おままごと。体を動かすのが好きな子たちは、飛んだりはねたり、走り回ったり。自分の興味を引くこと、好きなことをやるのが基本だ。取材した日は、お母さんふたりが新聞を持ち、それに向かって一人ずつが走ってジャンプ。次にボロボロになった新聞紙をみんなで丸め、大きなボールサイズにした。何かひとつやるたびに、「私も私も〜」と子どもたちが寄ってきては大騒ぎ。後半は近くの公園で外遊びになる。保育スタッフは先生ではなく、子どもたちの『大きなお友だち』で、『のんたん』『ぶんちゃん』と愛称で呼ばれる。特に遊びのメニューは決めず、子どもたちが楽しくできることを一緒にしながら、子どもたちの意思を確認して進めていく。親も自由で、子どもたちの相手をしたり、おしゃべりしたり。後は、お誕生日会や運動会・遠足・クリスマス会など季節のイベントをみんなで企画して準備する。
「学級が始まって2カ月、今はまだ親と一緒の子どもが多いですが、2学期になると友だちとの交流が深まって、自然と親から離れていきます。何をしたら相手が嫌がるか分かってやめたり、転んだ子に『大丈夫?』と気遣ったり。私たちは子どもの成長に立ち会いながら、20人のメンバーで20人の子どもを楽しんで育てていく感じです。だからメンバーのつながりも深くて、子どもが幼稚園、小学校と成長しても信頼できる友人として続きます。『どんぐり学級』を運営した年が違っても、会うと長年の友人のようにすぐに打ち解けることもできます。いざとなったら助け合える友人が同じ地域に住んでいるということは、子育てをする上で、とても安心できます」と天羽さん、田中さんは話す。これまでグループに関わったお母さんたちの中には、読み聞かせや育児など、地域でサークルやボランティア活動をしている人もいるそうだ。入級の募集は秋だが、メンバー手作りの紹介冊子もあり、予約もできる。興味がある人は、遊んでいる子どもたちの様子を国分寺台加茂原公園へ見に行ってみては。(米)