シティライフ株式会社

NO.66

 情報を地図にすると
  地域が見えてくる

  安全な通学路、子どもが安心して遊べる公園、自然観察ができる場所など、学校や地域の暮らしにかかわる情報を地図にすると、地域の課題や宝が見えてくる。NPO法人なのはな地域情報センター(新藤進副理事長)では、情報地図をまちづくりに役立て欲しいと、データにして提供する。
 今年6月、市原市立五所小学校区内のこども110番の家が、一目見て分かるマップになって各家庭に配布された。こども110番の家とは、児童、生徒が登下校時などに危険を感じて助けを求めて駆け込んできた時、保護して警察等に通報する制度。「現在、学区内には24のこども110番の家があります。子どもの安全が問われる今、地域の協力で子どもたちの安全を守ろうと設けられています。平成通りと白金通りの間を内房線が通る五所小学校区は、交通量も多く市内でも犯罪の多い地域です。先日も下校時、低学年の女の子が平成通りの陸橋を渡り終えた所で、不審者から金を出せと脅されました。女の子の家は遠かったのですが、かなりの距離を一目散に走って帰ったそうです。母親からの通報で分かったのですが、後で調べたら、声をかけられた場所のすぐ近くにこども110番の家がありました」と、小川義行教諭?は話す。
 今年2月、小学校では学区内のこども110番の家の場所を示した地図を、市販地図を使用して各家庭に配布した。五所小の保護者でもあるNPOのスタッフが、コピーにコピーを重ねた分かりにくい地図を見かね、もっと見やすく分かりやすくと、NPOの事務所に持込み、独自のロゴマークにデザインしてNPOが提供する住宅地図に落とし込んだ。
「1500分の1の住宅地図で、学区を大きな図面にカラープリントして提供させていただきました。これなら子どもたちも一目で通学路にあるこども110番の家がわかります。それに、私どもが提供する地図は、複写を容認していますのでコピーも自由です。地図で確認していただくと同時に、地図からこの辺りにもう1軒あったら、ということも見えてきます」と、地図に著作権があるという認識を明確に持っている人もまだ少ないと、新藤さん?は話す。
「学校側も著作権については、研修会等を開いて勉強中です。当初の地図は、分かりにくい場所を確定していただくため、必要に迫られて住所を掲載しましたが、個人情報保護法もあって問題がありました。提供していただいた地図は場所が一目で分かるので、住所を公開する必要もありません。今後はこども110番の家だけでなく、職員やPTAからアイデアを募り、地域オリジナルの地図の活用を探っていきたいと思います」と、石井孝雄校長(57)もNPOとの協働に期待する。
「私たちも地図は提供できても、落とし込む情報はいただかなければ生きた情報地図にはなりません。同じ地域を拠点に活動するNPO団体として、今後も五所小学校にはモデル事業として協力していきたいと思っています。例えば、危険カ所などを地図に落とし込むことも可能です」と新藤さん。学区内には生徒指導上、度々問題となる公園もあるという。地域住民のコミュニティ情報マップ、緊急時対応防災対策マップ、防犯、交通事故安全対策マップなど、地域活動団体とコラボレーションすることで、地域の問題解決につながるマップ作成が可能になるという。
 NPO法人なのはな地域情報センターは、日本コンピュータグラフィック株式会社はじめ、市原市測量設計業協同組合、株式会社ウチダデータ、株式会社パスコの地図製作を事業とする民間企業4社が技術協力して、昨年8月に設立された。これまでに、子育て支援マップ、国分寺台中央町会の消火栓と消火器設置場所を示した防災マップ、市内交番の管轄エリアマップなどの作成に協力してきた。五所小学校だけでなく、西五所町会、君塚町会の活動にも地図を提供する予定だ。今後は、事業所ともコラボレーションして、市民ニーズに応えた情報地図を提供していきたいという。 (国)

なのはな地域情報センター事務局(光本)
TEL.0436-22-1840
http://www.isk.or.jp/
小川教諭
辻井照雄西五所町会長宅もこども110番の家

 



(C)City Life