NO.68

 孤立しがちなお年寄りや障害者
 に心のケアを 

 
NPO法人 ひなたぼっこ

 五井の住宅地の一画で、高齢者・障害者・子どもたちの交流の場とする談話室づくりが始まった。主宰は訪問介護を主な事業として今年発足したNPO法人『ひなたぼっこ』。代表の田中栄子さん(50)とメンバー5名が、秋からの本格的な活動を前に、築37年の平屋を自分たちで修繕している。

『ひなたぼっこ』のメンバーは、介護事業所のヘルパーや作業療法士、保育士の経験者。仕事やボランティアで、高齢者や障害者、心の病で家に閉じこもっている人たちと接してきた。その中で、ヘルパーのマニュアル化された仕事と区切られた時間に、介護される人たちが望む『心のケア』的なサービス提供の難しさを痛感したという。「ひとり暮らしで介護が必要な方の孤立化が進んでいます。様々な悩みを話したり好きな所へ行ったり、人や社会とのつながりを求めても、相談できる相手やサポートしてくれる人が周囲に少ないのです。同居の在宅介護でも家族は生活を抱えて忙しく、むしろ一時でも手を離す時間が必要。少しでも自立した生活をしたいという介護される人たちのために、私たちが支えのひとつになれればと思っています」と田中さんは話す。
 脊髄を痛め歩けなくなった母親を介護した田中さんは、母親の不安や悩みを聞き、医師の指示のもと日常生活やリハビリのサポートを行って、ひとりで近所に買い物へ行けるようになるまで回復させた。非常勤ヘルパーの時にも、半身不随でひとり暮らしの77歳の女性を担当し、身の回りから下の世話まで行って、ベッドから立てるまで励まし続けた経験を持つ。「一般的には、制限された時間、事業所の方針、家族の理解の差など多くの条件があり、介護保険法に基づいた自立支援を行うことができませんでした。だからNPOを考えたのです。ヘルパーの集まる機会を作って意見を聞くと、やはり今の仕事には限界があり、心のケアも充分でないと考えていた人が多かった。それもNPO発足の後押しとなりました」
『ひなたぼっこ』の訪問介護は、フレキシブルな対応で割安な料金が基本だ。市内の高齢者、障害者が対象で、通常のヘルパーの仕事の他、ボランティアで歌好きな人には一緒にカラオケに行ったり、趣味の手芸を楽しんだり、散歩や体操、話し相手などをする。それがわずかな時間でも小さな喜びの積み重ねがあれば、リハビリや自立への頑張りにつながるからだ。さらに、この秋にはデイケアをスタートさせたいと、白金通りから徒歩数分の物件を修繕中。少人数のショートサービスを行いながら無料の談話室も置き、大人から子どもまで年代を問わず、高齢者や障害者、ボランティア、地域の人たちが自由に交流できる場も兼ねる。「介護が必要な方と同居する家族の相談も受付け、学校帰りの子どもたちも自由に遊びに来られるような場所にしたい。気軽に好きなときに集まれる所があれば、地域の人たちのつながりができ、安心感や暮らしやすさも育てられるのではないかと思います」
 談話室ではボランティアを募集中。高齢者や障害者の介護、子育てなどを経験した人たちの他、若い世代の人も含め、1時間でも活動に参加できればいいという。備品の提供なども受付けている。(米)

田中 TEL25-1287 携帯090-1815-2881
(左)「平屋の持ち主の細野さんも、賃料を安くして備品を提供して下さるなど、ご協力いただいてます」と田中さん
(中)6畳2間続きを1部屋として使う。広縁との境になるガラス戸は、安全のためすべてカーテンに変えるという
(右)台所の傷んだ床の貼り替え。大工経験者がボランティアで参加   

 



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