NO.74

 「子供から社会へ
 メッセージを」 
 
-子どもの痛みを受けとめ、
  サポートする市民活動-

 育児放棄や子どもへの暴力、性被害などの痛ましい事件が、家庭でも社会でも数多く起こっている。辛い状況に置かれている子どもたちを守りサポートしようと、県内の市民が協力して活動しているのが『NPO法人千葉こどもサポートネット』。多方面の専門的経験を生かして解決に取り組み、昨年からは各地域で子どもや親たちの相談を受け、調査・調整活動をする『子どもサポーター』を始めた。現在、県内では約50名、市原市内では6名が登録。数カ月に1度、養成講座を開催し、参加者を募っている。
『千葉こどもサポートネット』は、不登校や障害のある子どもを持つ親たち等の出会いから始まり、1992年、子どもの人権を守る市民グループや個人のネットワークで、活動をサポートし合おうと任意団体を設立。やがて一般からのいじめや不登校・非行・虐待等の相談に対応、教育や生活の中で受ける子どもの人権侵害の問題に取り組み、2004年2月、子どもの人権擁護活動を事業化するためにNPO法人となった。
 中心メンバーは約10名。理事長の池口さんをはじめ、それぞれが仕事やボランティアで、日頃も差別、非行、虐待等の問題に取り組んでいる。「サポートネットは、子どもたちが受ける暴力・抑圧を、子どもに対する人権侵害と考えました。子どもの個性を尊重するのではなく、社会の尺度や大人の都合に合う子どもであることを強制し、それに合わない子どもが不当な差別や肉体的・精神的暴力を受ける。例えば、『いい子』がキレる、非行に走る、引きこもる、暴力を振るうなどは、その発散やSOS的な行動です。それを大人は『問題のある子ども』として扱い、子どもをさらに追いつめる。大人社会が子どもの人権を認めていないことが、子どもを苦しめている大きな原因のひとつです」と話すのは、千葉市内で『親と子の居場所づくり』等の活動を行う理事の市川さん。
 日本が国連の『子どもの権利条約』に批准して約10年。しかし、子どもの苦しみを訴える場、解決のための公的機関は非常に少なく、子どもの人権に関する啓蒙も充分でないと、国連より厳しい指摘と勧告がされている。サポートネットでは、県内の様々な状況にある子どもたちを助けるため、県の子どもの人権条例制定が必要と、県内の子どもに関わる活動をする約50団体の賛同を得て、2000年に『千葉県子ども人権条例を実現する会』を立ち上げた。子ども当事者・親・専門家を交えての勉強会、子どもたちや県民からの意見聞き取り、子どもの人権意識調査などを重ね、昨年、条例の市民案を発表。前文に虐待など辛い経験をした子どもたちによる大人に向けてのメッセージを掲げ、子どもの人権を守るシステム『オンブズパーソン制度』の設置を盛り込んでいる。
「条例化には、行政・議会の理解が必要で、実現に時間がかかります。すでに苦しんでいる子どもが数多くいる以上、それを待っていられません。また、オンブズパーソン制度ができたとしても地域で子どもをサポートする市民のネットワークが必要と、『子どもサポーター』制度を作りました。教師による暴力、セクハラ、障害を持つ子どもの進級に対する学校側の不対応など、教育関係が多数で、子どもサポーターとともにメンバーと支援弁護士グループも動いています。親子ともに苦しんでいる家庭も多く、地域で相談・支援を行う子どもサポーターの存在は重要です」と市川さん。
 相談等は無料。地域のサポーターの連絡先、募集、主催の講演会や関係機関との協働イベントなどは、ホームページで確認を。 (米)

TEL.043-266-8419
京成千原線学園前駅歩5分
http://www17.ocn.ne.jp/~saponet/

 



(C)City Life