私が嫁いできた昭和20年代終わりの頃、九十九里の海で獲れた魚や貝を売りにくる人がいました。自転車に魚介類を入れた箱を積み、お得意さんの家を回るのです。当時、家計を握っていたおじいさんは、ひと箱まるごと買ってあげていたので、しばらくは魚や貝ばかりの『ばっかり食』になりました。
ハマグリの料理を食べると、春がきたんだなとウキウキしました。房総の春は海から来たという感じでした。
今回、ご紹介する『三香鍋』。昔は『ぜんな』と呼ぶハマグリの小さめのものを使いましたが、今はほとんどこのへんの海では獲れなくなりました。作り方は簡単です。
中位の大きさのハマグリ(アサリも可)のむき身を使ってもいいですが、殻付きなら酒を入れて蒸し煮にすれば貝の口が開くので身を取り出します。ハマグリを蒸し煮したゆで汁に、3cm位に切った葉タマネギ400gを入れ、砂糖大さじ2(甘さは好みで)、味噌大さじ2、みりん大さじ2を加え煮ます。八分通り煮上がったらハマグリ(1パック)のむき身を入れ出来上がりです。葉タマネギがなかったら柔らかいネギなら何でもいいですよ。
『泥酢和え』は、やはりアサリ1パックを酒で蒸し口を開け身を出しておきます。このゆで汁を味噌少々で溶き、約3cmに切ったワケギ400gをゆで水を切り、砂糖大さじ2(甘さは好みで)、味噌大さじ2、酢大さじ2をすり混ぜたものと混ぜ合わせ、アサリを加えて出来上がり。ワケギがなければネギでもいいです。