ジリジリと照りつける太陽。日ごとに気温がぐんぐん上がってきました。こんな日が続くと、海やプールで泳ぎたくなる方もいるのでは?今回は昨年度、400メートル個人メドレーで国体に出場し、今夏にも大きな大会を控えている高校生スイマー・谷浦健太さん(16)にお話を伺いました。
千葉市緑区おゆみ野在住の谷浦さんは、県立千葉東高校に通う高校生。中学1年生の冬までは茂原に住んでいた。
「小さい頃は体が弱くてよく風邪を引いたりしていたんです。それで友達のお母さんが水泳をすすめてくれて。3歳半から地元のスイミングスクール(現イーストスイミングスクール)に通い始めました。おかげで体はとても丈夫になりましたよ」と谷浦さん。はじめのうちは、ただ友達とプールに入って泳ぐことが楽しかったのだそう。
小学校に入ると、泳ぎの上手さが評価され、スクールコーチのすすめで育成コースに移った。週2回の練習が週5〜6日に。
「当時はクロールしか泳げなかったのですが、育成コースでみっちり指導を受け、背泳ぎ・平泳ぎ・バタフライも段階を経て泳げるようになりました」
小学3年生から書道教室にも通い始めたため、毎日大忙しの小学生だった谷浦さん。練習は辛くなかったのかと尋ねると、「確かに大変でした。友達と遊ぶ暇もなかったし。たまの休みは寝て過ごすことが多かった。体が疲れている時は練習に行くことが憂鬱になることも。でも良いタイムが出て自己記録を更新すると、もっともっと上を目指して頑張りたいと思う。これが今まで続けてこれた最大の理由だと思います。それに日常生活で嫌なことがあっても、泳ぐとストレス解消になるんです。水の中にいる時は速く、上手くなることしか頭にないから、嫌なことを考えている暇もなくて(笑)」と語る。厳しい練習をこなす中で、ぐんぐん実力を伸ばし、スクール主催の試合や市内・県内の水泳大会では優秀な成績を残していった。
そんな彼が唯一、水泳存続に悩んだのが、茂原からおゆみ野へ引っ越した中学校1年生の頃。茂原のスクールを辞め、自宅近くの教室に通い始めたのだが、練習方法の違いからか、どうも自分には合わないと強く感じた。この時初めて茂原のコーチの存在がどれだけ大きかったのか、自分との相性が良かったのかを強く感じたという。
数カ月悩んだ末、時間をかけてでもイーストスイミングスクールへ通うと決断。学校が終わるとすぐに電車で茂原へ向かい、2時間半の練習を終えて帰宅するのは夜10時。こんなハードな日々が現在でも続いている。「茂原に通う事になってから、最も感謝しているのは両親に対して。土日は電車がまだ出ていない時間から早朝練習が始まるので、毎週車で送ってくれているんです。大会でもいつも応援してくれて。家族は僕の一番の支えです」
現在は選手コース担当の杉山武士ユコーチのもとで練習をしている。1日に泳ぐ距離は6000から7000メートル。この他に、陸上でのランニングやバランスボールを使った筋力トレーニングも行っている。「コーチは厳しいです。でも甘えていてはいけない。自分で自分を追い込んでいかなければ、良い記録は出ないと思うから」という彼の負けず嫌いでねばり強い性格が、好タイムを生み出しているのだろう。
「メドレー選手は4種の泳ぎ全てを極めなければ勝てないというのが難しいところ。ペース配分等も考えて泳ぎます。いま気を付けているのは、左右の力の入れ具合。僕は利き腕・利き足ともに右なので、どうしても右の力が勝ってしまいます。タイムを縮める為には左右の力バランスも大切なんです」
目標としているのは、今年の世界水泳で大会史上初となる7冠を達成し、5つの世界記録を更新した米国代表のマイケル・フェルプス選手。彼の天才的な強さに憧れている。
また、最も印象に残ったのは昨年秋に兵庫県で行われた第61回のじぎく兵庫国体。6月の県高校総体の400メートル個人メドレーで出した記録が、国体出場の決め手となった。谷浦さんは「総体や県体では順位を競い合っている県内の選手達が、国体では同じ千葉県代表の仲間として出場します。友達もたくさんできたし、周りがハイレベルの人達ばかりだったので、『頑張らなくちゃ』という気持ちが強くなりました。残念ながら決勝に進むことはできませんでしたが、とても良い経験になりました。ただ、7月後半に行われた関東高校水泳大会で良い記録が出せず、インターハイ出場を逃してしまったことがとても悔しかった」と話す。
そんな谷浦さんも来年は受験生。水泳と勉強との両立には常に悩まされてきたという。「今は水泳の事で頭がいっぱいですが、いずれは自分の将来について真剣に考えなければいけない。将来は水泳の他にも何かやりたい事を見つけたい。一生懸命勉強して大学にも行きたいです。でも、それまではできるだけ長い間泳いでいたいですね」
7月7日シ・8日カの千葉県選手権は今年の国体選考に繋がる大事な大会。月末には、関東高校大会が控えている。国体・インターハイ出場に向けて気合いは充分。彼の頑張りにぜひ期待したい。(斉藤)