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地元の食は
地元が支える

「 「自分たちが住む地域で育った作物を口に入れるというのが食の原則。この睦沢町で生産される小麦を、地元で消費しようと思ったのが活動のきっかけです」と話すのは知的障害児施設『槙の木学園』の施設長、加藤次郎さん。
 加藤さんは地域の農家が米の代替農産物として生産される小麦が業者に引取られ、自分たちは外国産の小麦粉を使ったパンを食べていることに疑問を持っていた。しかもその外国産の小麦は輸送の関係で、障害発生のリスクが著しく高くなるポストハーベスト農薬が施されていることも気がかりだったという。
 小麦は米と違って粉にし、パンやパスタ、ピザなどに加工しなければ口に入らないこともあり、地元でも自分たちが作った小麦を消費することが難しかった。加藤さんは以前配属されていた授産施設『ときわぎ工舎』にある製パン設備を活かし、地元産の小麦を製粉しパンを焼き、町内の小学校、中学校、幼稚園、保育園で給食として出すことを睦沢町に提案した。
 おりしも千葉県では「千産千消」をスローガンに掲げていたこともあり、町でもこの提案を積極的にバックアップ。早々と教育委員会に働きかけ、2年前から地元の小麦を地元で加工したパンが学校給食に登場した。
 以前からときわぎ工舎では防腐剤やイーストフードを一切使わず、北海道産の小麦粉でパンやクッキーを焼き販売していたが、今回は小麦を製粉する作業が加わった。しかも製粉の前に、収穫の時に混じる米や菜種といった異物を除かなくてはならず、ときわぎ工舎ではこの手間隙かかる作業をすべて人の目と手で行っている。
 また給食のパンは幼稚園児と中学生では量が違ってくるが、パン種を一つずつ秤で計りながら作る『ときわぎ工舎』だからこそ、きめ細かく対処することができている。その結果、こうして作られるパンは自然の甘味や香りが強くておいしいと、子どもたちからすこぶる好評だ。
 小麦を栽培する川島営農組合長の東條和夫さんも、「おいしいと言ってもらえるのが励みになり、なるべく農薬を使わず、微生物が多く棲むような安全な土作りを心がけています。堆肥も昨年は豚糞にステビアを入れたもの、今年は牛糞にもみがらを入れたものといろいろ工夫しています」と話す。
「生産者がいて、加工するところがあり、消費もされている。千産・千加工・千消が町単位でなされているのは睦沢町くらいなもの。今後はパンだけじゃなく地元産の米や野菜も給食に使えないか検討しています」と町の職員。
 子どもたちも自分たちが食べるものを作る畑や人を知れば、おのずから食に関する意識が違ってくるはず。町をあげて食育運動の推進にもなっている。(大谷)

問い合わせ/ときわぎ工舎
TEL/0475-44-2299

 

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