冬でも暖かい南房総。年末年始には、花摘みに出かけるという計画を立てている方も多いことでしょう。スイセンの里として知られる安房郡鋸南町を訪ねました。
◇早春の南房総を彩る
花景色
「鋸山を越えると肌着1枚いらない」といわれる温暖な鋸南町。12月から2月にかけては、町のいたるところの土手や斜面が水仙の白い花で埋めつくされます。町内にはいくつかの水仙散策スポットがありますが、JR内房線保田駅から歩いて行ける“江月水仙ロード”を訪ねました。
鋸南町は、江戸時代より淡路、越前と並ぶ水仙の三大産地として知られています。船で江戸に運ばれた水仙は、正月の花として人気でした。現在も、町内で栽培される日本水仙は、香り、気品において市場でも人気です。年間800万本が首都圏へ出荷されています。
まずは、保田駅前にある『鋸南町観光協会保田駅前観光案内所』で“水仙ロードマップ”をもらいましょう。見返り美人が目印の建物が案内所。食事処や観光スポットなどの情報もここでチェックしておきましょう。2時間300円の貸し自転車もあります。広範囲に回るのなら、サイクリングもいいですね。
◇水仙の里を訪ねて
全長3.7キロ。花景色を楽しむには、あたたかな陽ざしをあびながら散策するのがオススメ。マップを見ながら江月地区へ。“水仙の里散策の道”は谷津の奥へと続いています。普段はのどかで静かな山里も、シーズン中は店も出て大いににぎわいます。「今年の花はいつもの年より早め」と、地元のオジサン。青い空に映えて斜面に群生する日本水仙。陽が昇るにつれて谷間に芳香が漂います。途中数カ所の案内板、4カ所のトイレ、休憩所、広場も整備されています。ゆっくりと、水仙咲く里の風景を楽しみましょう。水仙や菜の花はすべて栽培されているものです。勝手に摘み取らないようにしましょう。
◇温室の中は春らんまん
お花の摘み取りをご希望ならこちら。保田交差点から鴨川方面、看板の案内に従って『チースの里』へ。古くから花卉栽培が盛んな鋸南町は、紫スターチスの産地としても知られています。地元ではスターチスのことをチースと呼びます。5年前、花づくり農家の篠原一夫さん千恵子さん夫妻が、花づくりをもっと楽しくと、観光で訪れる人たちとのふれあいを求めてオープンさせた観光農園です。年間を通して季節の花が摘み取り出来るここでは「田舎に親戚をつくろう」がモットー。気さくな夫婦の人柄を慕って、毎年訪れる常連さんも多いそうです。
真冬でも25度以上ある温室は、額に汗がにじむほどのあたたかさ。年末年始は11色の金魚草(1本80円)、3色のトルコキキョウ(1本100円)、2色のカーネーション(1本100円)、紫のスターチス(1本70円)、ポピー(10本200円)が温室内で摘めます。色の種類が多く人気の金魚草は、毎年色を変えて栽培しています。一般的には黄色が人気ですが、若い人には白っぽいもの、熟年者には赤いものと、年代によっても好みが分かれるのだとか。色を選ぶのも楽しみのひとつです。中にはランと見間違うようなものもありました。入園料は無料。摘み取った分だけの料金です。プレゼントにしたいという方には発送もしてくれます。
同じく館山自動車道鋸南保田IC近くの『ファミリーファーム保田』でも、花摘みが出来ます。
鋸山や菱川師宣記念館など、見所も多い鋸南町。漁港も目の前、水仙ロードを歩いた後は新鮮な地元の海の幸でお腹を満たすのもいいですね。お土産には、花の他潮の香りたっぷりの干物も豊富です。 (国)