黄金色に染まる田んぼ、風に揺れるコスモス。日中の暑さを忘れ、秋の気配を感じに木更津市馬来田(まくた)に『うまくたの路』を訪ねました。
5年前、地域の人たちによって整備されたうまくたの路は、歴史旧所に富んだ全長12キロの散策路。環境庁が公募した『わが町わが村ふるさとの路』のひとつになっています。今回は、JR久留里線馬来田駅からいっせんぼくまでの2.4キロを歩きました。
このコースには、うまくたの路の名称に由来する万葉集の歌碑が3カ所。ひとつ目は出発点の駅。そばにある案内板でコースをしっかり確かめたら、スタートです。富来田(ふくた)公民館の横を抜けて目を奪われるのは、花と緑のオープンガーデン。路を整備した地域ボランティアのひとり宮沢茂松さんが、散策する人に気軽に利用してもらえるようにと作った休憩所『小さな路の駅』です。テーブルとベンチを中心に、四季折々の花々が見事にアレンジされ、往来する人の目を楽しませています。うまくたの路の案内パンフレットや地域のイベント情報もここで。そして、ふたつ目の歌碑もお見逃しなく。
武田川沿いに、路はコスモスロードへと続きます。地域の有志が老人会をはじめ、ご近所に呼びかけて種をまき、草を取り、水まきして丹精込めて育てました。満開になる10月には毎年『こすもすフェスティバル』が開催され、たくさんの人で賑わいます。今年もコンサートをはじめ、イベント盛りだくさんで10月13日カに開催の予定です。コスモスロードの先、錦鯉が泳ぐ武田川のほとりに3つ目の歌碑をみつけました。
青い大きなイガグリをつけたクリ畑を左手に見て、吹き抜ける風に秋を感じながら道標に従って山沿いの路を進みます。景色が田園風景から木立茂る林になったら、ハンノ木湿原です。以前は荒れて立ち入ることもできない場所でしたが、地域ボランティアによって木道が整備され、だれもが気軽に歩けるようになりました。奥にある『いっせんぼく』は、その昔いくつもの湧水がボクボクと湧いていたことから、こう呼ばれています。現在はここ1カ所だけとなりましたが、1年中涸れることなく今でも多くの自然を育み、農業用水として地域の人に大切に使われています。
湧水で湿原となっているいっせんぼく周辺は、ツリフネソウの群生地としても知られる場所。9〜10月にかけて、赤紫の花が見事に開花します。筒型の花は船を吊したような形に見えることから、この名が付きました。コスモスとツリフネソウが澄んだ空に映える秋のうまくたの路いっせんぼくコースです。 (国)