シティライフ株式会社

NO.108

風に吹かれて出かけてみれば

―市原市 加茂地区―

 地図にものっていない
 名もない加茂の滝めぐり

 

 

 清澄山系を源とする養老川は、途中房総丘陵を縫うように流れる支流を集め、東京湾へと注ぐ。「滝は自然保護のバロメーター」と、加茂の自然を再発見し、共に楽しみながら環境保全活動を展開する『市原ルネッサンス』は、支流調査中にいくつもの滝を確認した。地域住民でも知る人は少ないという滝の数々は、どれも個性的で魅力的。長靴に履き替え、ルネッサンス探検隊に案内してもらった。

●飯給の滝/小湊鉄道飯給(いたぶ)駅から、線路沿いに高滝方面へ数百メートル。緑のシダに覆われた斜面を藪こきして下って行くと、水の落ちる音が聞こえてきた。落差7〜8メートル。上から覗く滝壺は深く青い。支流にも、滝にも特別名前はついていないという。「地域の人は、滝をドンドンと呼ぶんだ。すぐそこはダムサイト。全長1キロもない支流に、こんな見事な滝があるなんて、だれも信じないよね。でも、この辺りにはこういうドンドンがいっぱいある」と話すのは、幼い頃から山が遊び場だったという事務局の松本靖彦さん。柔らかい土に足を滑らせながら滝壺まで降りて見上げると、青空と緑がまぶしい。
●大久保の滝/大国橋から小湊鉄道大久保駅の踏切を左へ。白鳥小学校の裏を流れる支流に出る。傾斜のゆるやかな斜面を探して沢へ降りる。川底に光がゆらゆらと揺れている。本流からは信じられない清らかな流れにおどろく。沢を歩いて上流へ進むと、落差6〜7メートル、二段に流れ落ちる滝が現れた。岩に跳ねた水しぶきがキラキラ輝いて散る。隊員たちは、さっそく枯れた竹や流木を整備し始めた。
●芋原の滝/御里津大橋から大福山方面へ。芋原川上流の谷津田は、風化した白い砂岩が不思議な造形美を見せていた。そびえる岩壁の下を流れる沢の水は透明度が高く、川底は細かな白い砂礫で覆われていた。岩壁に囲まれ、まるで迷路のような清流を、ジャバジャバと砂を巻き上げながら上流へたどると、、流れ落ちるたびに方向を変える三段の滝が現れた。
●黒川の滝/宝栄橋から梅ケ瀬渓谷へと続くハイキング道沿いの梅ケ瀬川。オンシーズン中、多くのハイカーで賑わうルートにもかかわらず、この滝を訪れる人は少ない。吊り橋は朽ちているので、川の中を進む。目の前、垂直に流れ落ちる滝は落差10数メートル。黒い岩肌を水が覆うように流れる滝を真下から見上げると、圧倒される。しぼれ水が岩肌をなめ、さらに深く黒く光らせていた。周囲の空気も、マイナスイオンで研ぎ澄まされていた。
 ゴミの不法投棄が後を絶たない現状を憂いて開始した調査は、豊かな自然を確認する感動体験の連続だったという。この感動を自分たちだけのモノにしておくには、あまりにももったいないと、情報を公開して自然保護活動の協力を呼びかける。今回、訪ねた滝は4カ所だけだったが、未公開の滝は数多いという。隊員たちが集まる活動拠点のルネッサンス小屋には、活動の様子と共に素晴らしい滝の写真の数々が展示してある。(国安)

地図

飯給の滝
 

芋原の滝

黒川の滝
※今回紹介した滝へのルートは整備されていません。現地を訪れる場合は十分な装備と注意が必要です。
問い合わせ/山川(代表)TEL.96-1139
問い合わせ/松本(事務局)TEL.96-0636 
  



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