梅雨も半ば。トロピカルな花で一足早い夏の気分と、緑豊かな自然の涼を楽しめると聞いて、昨年10月にオープンした千葉市緑区の観光農園『ファームAiらんど』を訪ねた。
大網街道のJR外房線誉田駅近く、大網側の陸橋を渡った交差点を右折して、県道129号線・誉田停車場中野線へ。里山を走ること約5分、小さな木の手作り看板を左折して細い道へ。カーブミラー下の看板を見て再び左折。広がる畑に黄色い花の路が見えたら、そこが『ファームAiらんど』だ。
11月にもぎ取りができるキウイ畑と1000坪以上ある広い芝生の『ふれあい広場』。その向こうには里山『千葉市平川の森』が広がる。農園の中心には3棟で約250坪の温室があり、7月中まで見頃のブーゲンビレアが華やかな赤や紫、白などのカラフルな色で咲き誇っている。
温室づくりのきっかけは30年前、オーナーの安達繁雄さん(57)が、八丈島で初めて見たブーゲンビレアの鮮やかさに惹かれ、趣味で育て始めたこと。シンガポールやマレーシアなどへ行くと、必ず2〜3種類を持ち帰り、今では世界中の100種以上・約5000鉢を咲かせている。「園芸品種に登録したブーゲンビレアの新品種は5種類、未登録も20種くらいあります。自然に近い様々な色を楽しんで欲しいですね」。観光農園を考えたのは15年ほど前、自分だけで見るのはもったいないと思ったことから。その頃は、農業のかたわら、奥さんの優子さん(47)や友人とバンドを組み、市川でライブハウスを経営していた。店に通いながら少しずつ手作りで整備をし、オープンと同時に店を閉めたという。
そのキャリアを生かし、母屋の奥・木々に囲まれたログハウス『レストハウス山小屋』では、本格的なドリップコーヒーや特製ゆずジュース、優子さんが栽培するハーブ園の摘みたてフレッシュハーブティーなどを出す。ランチは予約でその日採れた野菜の料理を、夜はライヴハウスにするという。「ログハウスもふたりで1年かけて造りました。テーブルやイスも製材所で板を購入し、自分たちで磨いて。夏でも涼風が吹き抜ける素朴な山小屋なので、田舎に来たようにくつろいで下されば」と繁雄さん。
緑陰で涼しいバーベキュー場には手作りのブランコ。平屋の『ゲストハウスいんきょ』は、60年前建てた農家の間取りで宿泊も可。野菜の収穫や農業体験ができる畑に、キャンプやドッグラン、イベントにも使える芝生広場。いずれも予約を入れてくれれば、自由に使っていいという。「花と自然と音楽が楽しめる田舎です。犬もリードをつけていれば園内は自由、山小屋内もOKです」。田舎暮らしを楽しみたい人にぴったりの、素朴で自然な観光農園。友人やファミリーで、季節ごとにそれぞれの楽しみ方ができそうだ。(米澤)