朝夕吹く風に秋の気配を感じる季節になると、市内各地からコスモスの花便りが届く。養老川柳原橋たもとに広がるコスモス畑も満開を迎えた。川風にゆれるコスモスを見ていると、心にもやわらかな風が吹き抜けるようだ。
地域の有志が集まり、雑草に覆われた荒地を耕してコスモス畑にしたのは4年前。「不法投棄のゴミもあり、当時は足を踏み入れる事も出来ない場所となっていました。市原市川を美しくする会の呼びかけに賛同した数人で、草を苅ることから始めました」と話すのは、代表の豊田明さん(68)(右上写真後列左)。年を重ねる毎に、活動を見かけて自主参加する会員は増え、現在20人に。河川敷に広がる1ヘクタールの畑は、今年も色とりどりのコスモスで彩られた。「花を心待ちにしてくれる人たちの期待が、私たちのやりがいになっています。今年は、これまでで一番の出来です。大将もきっと喜んでくれていると思います。今後はレンゲやヒマワリなど、四季を通じて花を楽しめるようにしたいと考えています」と豊田さん。
大将とは、コスモス畑周辺の所有地に『たぬきの里』を整備半ばで、3年前に亡くなった須田正明さんのこと。幼い頃から自分が親しんだふるさとの川や山を地域の憩いの場にという思いで仲間と共に造った里は、掘り抜き井戸からの豊かな水が園内をめぐるビオトープ。河川改修が行われる前、須田家の屋敷林だったという大木が木陰をつくり、近隣の梨畑や田んぼで農作業をする人たちの休憩場所として、また地域住民のレクリエーション場所として開放されている。
もともとここは、運送会社のトラックターミナル。広い駐車場の奥にこのような憩いの場があることを知る人は少ない。橋から目にする人も多いミニ富士は、標高10メートル足らずだが、頂上からの展望はなかなかのもの。富士宮口、御殿場口、お好きなコースからどうぞ。
たぬきの里の管理を運送会社から委託されている田中利夫さん(61)は、毎朝晩必ず足を運び、清掃と水の管理を欠かさない。「今の時期は、ホテイアオイの花を遠方から撮影に訪れる人も多いですよ」というように、池一面を覆うように咲く水草は、まるでお花畑のようにも見える。園内には、かつてここの住人だったタヌキ4匹も飼育されている。
秋は紅葉も美しいという『たぬきの里』には、今も須田さんの遺志を継いで活動する人々が集う。対岸の大きなシイの木がシンボルの福祉作業所『シーモック』もそのひとつ。手作りのケーキやクッキー、手芸品も販売しているので立ち寄ってみては。10月2日には、コスモスの花見を兼ね、畑で活動する人たちが主催するバーベキュー大会も予定されている(雨天中止)。参加費千円を払えば、だれでも参加できる。(国安)
問い合わせ/豊田 TEL.36-2390
問い合わせ/シーモック TEL.37・8128
(月〜金 9時半〜16時)