シティライフ株式会社

NO.128

風に吹かれて出かけてみれば

 散歩ついでの
お気軽バード
ウォッチング

養老川臨海公園・
山倉ダム

 

 朝晩はまだ寒いが、晴れた日の昼間はポカポカ陽気となることも多いこの時期。外を散歩していると、様々な鳥が姿を見せる。その中には遠いシベリアなどからはるばる日本に渡ってきた冬鳥たちの姿も。
 今回は多くの野鳥が観察できるという『養老川臨海公園』と『山倉ダム』を訪ねた。
 同行してくれたのは、千葉県野鳥の会の野崎正さん。野崎さんは高校生の時に翼を広げて自由に飛ぶ鳥に魅せられ、以来全国各地でバードウォッチングを行ってきたそう。
 養老川の河口付近、東京湾に面した場所に位置する『養老川臨海公園』は、緑豊かで隠れた探鳥スポットでもある。園内は黒松を中心とした木々が植えられ、小さな池もある。ここには留鳥であるシジュウカラやカワラヒワなどの小さな鳥が多数生息している。黒松の木にはメジロやヤマガラ、エナガなどが集まっている。小さく弱い鳥たちはこうして混群を作ることで外敵から身を守るのだそうだ。ふと池の側の木を見ると、シラサギの一種であるコサギが、何やら様子を伺っている。どうやら池の中にいるエサを狙っているらしい。木々の緑のなかに、純白のコサギがとても美しい。他にも腹部の羽がオレンジ色をしたアカハラや、高山で夏を過ごすビンズイなどもいた。「アカハラはなかなか姿を見ることができないんですよ。シャイなのかもしれませんね(笑)」と野崎さん。池の近くにいたハクセキレイは、灰色の体で尾を上下に振りながら片足ずつ歩く姿が何とも愛らしい。
 静かな園内では、耳を澄ますと「キョロキョロ」というツグミ(冬鳥)の鳴き声やヤマガラの「ツーツーピー」という声が聞こえてくる。「鳥を探す時は、視覚だけに頼らず耳も使います。どの方角から聞こえるのか、どんな鳴き声なのかを聞き分けて探します」と野崎さん。枝の揺れや影にも注意して見ると、さらに見つけやすいという。肉眼では見ることのできない細かな動きや特徴を知るには、双眼鏡があると便利だ。
 また、公園奥の海には300羽ものカンムリカイツブリが群れを成していた。冬鳥であるこの鳥は、その名の通り頭に冠のようなトサカがあるのが特徴。冬羽は白黒で冠もあまり目立たないが、3月頃になると白い毛が赤くなり、大きくて立派な冠が出てくる。カンムリカイツブリたちの間からピシャッピシャッとボラが跳ね、とても賑やかな情景がおもしろかった。
 この公園で見つけることができた鳥は計28種。
 可愛い小鳥をたくさん見ることができ満足したところで、今度はドライブを楽しみながら山倉ダムへ。現在閉園中の『山倉こどもの国』に隣接するこの場所には、カルガモやコガモ(冬鳥)が多数生息している。ほとんどが岸に上がり、暖かい日差しの下で昼寝をしている様子が微笑ましい。別の岸を見てみると黒い体のカワウもひなたぼっこ中。途中、泳いでいるカワウを見つけ、しばらく観察していると潜って魚を捕まえている。しかし捕らえたのはクチバシの5倍はある大きな魚。懸命に飲み込んだが、クチバシの先から魚のシッポが出ている。とても滑稽な姿に野崎さんも思わず爆笑。穏やかな雰囲気が漂い、ゆったり散歩していると、突然、こどもの国の森に住みついているハシブトガラス達が大きな鳴き声で騒ぎ出した。ふと上空を見てみると、1羽の鳥がカラスに追いかけられている。オオタカだ。水辺にいたカモを狙って近づいてきたところを、縄張り意識の強いカラスに見つかり、追い返されたらしい。普段、ゴミ置き場を荒らして人間を困らせているカラスは、ここのカモ達にとっては救世主のように見えた。
 ダム周辺には桜の木が植えられ、側にはヒヨドリやホオジロが木や草の実を食べに来ている。その先の湿地に見えたのは90センチの首の長いダイサギ。「冬羽は黄色いクチバシに白い羽毛ですが、夏になるとクチバシが黒に変わり、飾り羽が現れます。繊細な糸のようでとても綺麗ですよ」と野崎さん。迫力ある大きさとしなやかな体が美しかった。
 山倉ダムで見た野鳥の数は計27種。ただ眺めているだけで、普段見過ごしていた鳥たちの世界を覗くことができ、散歩が2倍楽しめた。
 千葉県野鳥の会では毎月県内各地で観察会を行っている。鳥の名前や習性などを詳しく知りたい人は観察会に参加してみるといい。可愛い小鳥たちに癒され、美しい鳥に感動できるバードウォッチング。双眼鏡を持ってちょっと散歩に出掛けてみよう。(斉藤)

お問い合わせ/千葉県野鳥の会事務局
TEL.047-343-0635
  



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