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NO.30


講師/須藤和夫さん

高齢社会となった日本
     介護保険を活用しながら自立を目指して

 実施後1年が過ぎた介護保険。南総公民館では、市原市の出前講座「お出かけくん」による介護教室を企画。市原市保健福祉部介護保険課の須藤和夫さんを講師に、手続き方法など基本的な質疑応答も交えながら、市原市の現状を学んだ。  (米)

 介護保険を説明する前に、まず、社会の高齢化の実状をお話しします。WHOでは、65才以上を高齢者とし、全人口のうち65才以上が7%超で高齢化社会、14%で高齢社会、20%で超高齢社会としています。日本では、平成10年10月で16・2%、すでに高齢社会です。昨年、厚生省が発表した日本人の平均寿命は80・9才、健康寿命は74・5才、その差の6・4才は健康ではない期間、病を得ている期間ということになります。介護の必要性は高齢者の割合が増えるにつれ、ますます大きくなってきます。その中で、現在増えてきているのは、老老介護、つまりお年寄りがお年寄りを介護していることです。60才以上の方で介護している人は50%超、70才以上の方でも20%を超えています。
 介護保険はこの介護問題を40才以上の人全員で支え合おうとスタートしました。利用するには、いくつか注意点があります。まずは介護認定の申請。市に申請すると調査員が訪問して85項目のチェックと特記事項で資料をつくり、主治医の意見書を添付して、認定審査会へと提出します。市原市では審査会14グループが交代で毎週火・木に開いています。申請から1ヵ月以内に認定結果を報告するという原則がありますが、主治医の意見書等がそろわなかったりして遅れがちです。皆さんに主治医を指定していただいていますが、風邪などを治療しただけの医師を指定しても、その医師は介護に関する意見がすぐに書けないなどで、遅れてしまうことがあります。必ず自分の状態を一番よく知っている医師を指定してください。
 65才以上であれば、どんな原因でも介護認定の対象となりますが、40才〜64才の人は、加齢による15の疾病、脳血管疾患、糖尿病性腎症などが原因の場合のみ対象です。交通事故などで足が不自由になっても対象外となります。また、痴呆の方が訪問調査の時だけ、たまたましっかり受け答えできることがあり、1次判定では低い介護度が出る可能性があります。この場合の認定審査では、医師の意見書がかなり重要です。
 認定の通知で不服があれば、県の審査会へ申し立てできます。認定期間は原則6ヵ月ですが、その間に変更認定申請もできます。そしてケアプラン作りに入ります。
 ケアプラン作りは指定居宅介護支援事業者のケアマネージャにしてもらいます。介護度による支給限度額内のプランを立てますが、介護度が変わると限度額も変わるので、ケアプランもそれに合わせて立て直してもらいます。また、ケアプランは必ず利用者の合意を得ることになっています。
 皆さんの保険料は給付計画により決められています。これは65才以上の人数と、施設の状況を見ながら立てられるもので、3年サイクルで見直されます。給付費100%として、国25%、県12・5%、市12・5%が負担し、皆さんの保険料は50%にあたります。このうち、65才以上の人(1号被保険者)は17%、40才〜64才の人(2号被保険者)が33%となっています。市町村によって保険料は違います。市原の基準月額は2691円、千葉市は3000円、県平均では2701円です。
 市ではアンケートを取りました。サービスの利用では、以前より増えた17%、減った9%、変わらない45%、初めて利用した29%。傾向としてホームヘルパーを頼むよりも、施設に行く人の方が多いですね。サービス内容では満足35%、まあまあ満足33%、逆に10%が不満と答えています。福祉制度と介護保険の比較では、今までの制度がいいという人43%で、介護保険がいいという人33%を若干上回っています。同じサービスを受けるのに支払いが生じたことに、抵抗を感じている人も多いようです。
 市原市が今年度に変更した点は、施設が整備されるなどで供給量が充足されたことから、デイサービスを受けられる回数の上限をなくしたことです。限度額の範囲であれば、何度でも受けることができます。そして低所得者の保険料負担の軽減。また、市では、サービス事業者一覧を作り、皆さんが事業者を選びやすくしようと考えています。
 現在、介護関係の施設が増えていますが、その整備が進み、利用者が増えるほど給付費が上がりますので、保険料は高額になります。負担が増えても好きなサービスを受けられるのが良いのか、サービスは低くとも保険料が安い方がいいのか、難しい問題もあります。皆さんがいつまでも健康で、自立できる生活であることが一番いいことだと思います。ぜひ、健康寿命を伸ばして下さい。

 
 



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