糖尿病は、日本で約600万人がかかっているという生活習慣病。その治療には、健康的になる食事療法と運動が一番とされています。「ベジタブル・ライフ」として、糖尿病のための食生活を考える健康セミナーがSDA三育袖ケ浦キリスト教会で開催されました。その一部を紹介します。 (米)
糖尿病は、血液中の糖質が多くなる病気です。日本で40歳以上の10人にひとりがかかっているといわれています。自覚症状がないため、知らない間に病がすすんでしまうのが特徴です。
糖尿病がすすむと、トイレに行く回数が多くなります。体に吸収されなかった血糖を、水分とともに排出するためです。とうぜん体の中の水分が減るので、のどが渇きます。他にも、食べているのに体重が落ちる、疲れやすい、視力の低下などがあり、さらに足のむくみ、貧血や息苦しさ、吐き気などがでてきます。それから神経障害として、手足の先のしびれや麻痺、痛み、立ちくらみや便秘・下痢が頻繁に起こるようになります。放っておくと、大変こわい病気です。
糖尿病の予防・治療には、血糖値を上げないように、糖質・脂質・タンパク質をバランスよくとる食事療法と、血糖を使うための運動をすることが重要です。ストレスも血糖値をあげる原因になるため、精神的な健康も大切ですね。
食事療法では、脂質を取りすぎないように注意します。肉食が多いと、料理で油を使うことが多く、動物性タンパク質もとるため、糖尿病の発症率が高くなったというデータもあります。動物実験では、4ヶ月間の低脂肪の食事で、肥満・糖尿病が改善された研究もあります。脂質を減らし、野菜を中心にした食事を多くすることが、糖尿病の予防につながるのです。
糖尿病の兆候があるとされたときは、血糖値が安定するような食事療法を考えます。糖尿病は、エネルギーを取りすぎると、血糖値が上がりすぎてしまいます。その反動で低血糖になり、これがひどい空腹感となって、がまんできずに間食でたくさん食べてしまう。すると、またエネルギーを取りすぎて、高血糖、低血糖と、悪循環になってしまうのです。そのままだと病状がすすんでしまいます。
ふだんのメニューで気をつけたいのは、たとえばリンゴ。しぼったジュースは、そのまま食べるよりも、血糖値をかなり下げさせます。ふだんから市販の100%濃縮還元ジュースを飲んでいる人は、取りすぎないよう注意が必要です。穀物なら、精米した白米より玄米、小麦粉からつくるパンより全粒パンなどです。精製されたものは糖分が凝縮されているので、より自然に近い状態のものをとることがポイントです。食べる時間も規則正しくなるよう、心がけましょう。
野菜はカロリーが低く、炭水化物が少ないので、糖尿病の人も、たくさん食べることができます。食物繊維が多いので腹持ちがよく、エネルギー変換をよくするビタミン類も多く含まれています。特に、好きなだけ食べられるものとして、キノコ、コンニャク、海草類や、ナス、ピーマン、ニンジン、モヤシなどがあります。サラダに使うキュウリ、トマト、レタスなども大丈夫です。
肉料理を減らすために、肉の食感によく似た植物性タンパク質の食品を使ってみてください。小麦、大豆を原料にしたもので、挽き肉状のもの、ウインナー型のものなどがあります。健康食品店で缶詰などで売っています。油はなるべく使わないように、炒め物も水を少しずつ加えながら火を通すなど、工夫します。使うときは良質の脂肪酸を含むオリーブ油、ゴマ油などがいいでしょう。
つなぎに使う卵は、豆腐や片栗粉などで代用できます。生クリームは無加糖の濃い豆乳に替えられます。牛乳はカルシウムが多いのですが、動物性脂肪も多く含まれています。低脂肪乳か豆乳をおすすめします。
また、タマネギ、ショウガ、ニンニク、ネギ、ハーブ、レモンなどの香草を使って味をつけ、塩分を減らせば、高血圧などの合併症も予防します。
豆類は、ほとんど糖質ですが、大豆、枝豆はタンパク質が多く含まれています。ピーナッツ、ゴマは脂肪が多い食品です。糖尿病の方は、パンにつけるディップや和えものに使うことは控えめに。
ふだんの食事や間食を見直して工夫することが、糖尿病を予防し、進行させないことにつながります。ぜひ役立てていただければと思います。