|
| 福渡 和子 さん |
 |
|
|
生ごみのリサイクルを家庭から 堆肥で豊かな土づくり
|
焼却によるダイオキシンの発生と、焼却灰などを埋める処分場の限界がみえ、問題となっているごみ。資源の有効活用のため、リサイクルが進められていますが、土にかえすことができる生物系廃棄物である家庭の生ごみは、資源ごみなとに比べ遅れているのが現状です。この生ごみの問題を市民レベルで少しでも解決しようと活動する『生ごみリサイクル全国ネットワーク』が、千葉で交流会を開催しました。その中から事務局長・福渡和子さんの発表の一部を紹介します。(米)
土にかえすことができる生物系廃棄物は、紙を除いて、全国で年間約2億8000万トン。東京ドーム750杯分、全廃棄物の約6割です。そのうち、私たちの家庭から出る料理クズと食べ残しの生ごみは約1000万トンで、ほとんどが市町村で焼却処分にされます。
家庭から出る生ごみは、事業ごみと違って一軒あたりの量が少なく、廃棄された物を分別することが難しいなど、効率的にリサイクルすることがなかなかできません。そこで、各家庭で堆肥づくりを進め、焼却となる量を減らす取り組みが市民活動として広がってきました。コンポスト容器や、家庭用生ごみ処理機の開発・販売も行われ、多くの市町村では購入の補助金を出しています。家庭菜園やガーデニングなどで使う肥料を自宅でつくる人も増え、また、燃料化や家畜のエサ、生分解性のプラスチックにする等の研究も行われています。
私は、コンポスト容器に生ごみと落ち葉、乾いた土を入れて、堆肥にしています。これは微生物の力を使った堆肥づくりです。土は微生物の宝庫で、ティースプーン1杯の土に数100万〜数億います。生ごみを堆肥にすることは、この微生物を増やすことになります。
ただ、家庭で生ごみを堆肥化させるときに問題になるのが、腐敗と悪臭です。生ごみリサイクルで堆肥化を進めるには、これらを発生させない方法を知ってもらうことがとても重要です。
悪臭と腐敗は、通気性が悪いとか水分が多いなどという単純な理由で、生ごみを腐らせる微生物が活動するために起こります。コンポスト容器や処理機のどちらでも、ちょっと臭いが出たら、新鮮な米ヌカと乾いた土を入れて、かき混ぜてください。米ヌカには生ごみを分解する微生物がたっぷり含まれています。1〜2日で、悪臭はきれいに消えるはずです。温かくして通気性をよくすると、分解する微生物が元気になります。発酵して熱を出し、抗生物質を出す微生物も活動するので、大腸菌やO-157などの病原菌を殺します。安心して使える堆肥ができるのです。
台所の生ごみは水分が多く、空気が通りません。生ごみは一度干して水分を飛ばすのが一番。お茶殻なら水分が出なくなるまでしぼり、手にギュッと握ってちょっと水気を感じる程度、パサパサした状態にします。ごみを刻んで細かくすれば、さらに分解が早くなります。また、油も空気を通さず、腐敗の原因になるので、極力入れないようにしてください。
2〜3日間、生ごみを溜めておきたい方は、目の大きなカゴに水受けの皿を入れ、新聞紙を広げて新鮮な米ヌカと水分を絞った生ごみを混ぜて入れます。それをくるんで、新聞紙の口をピンチで留めたら、カゴごと外につり下げる。魚は匂いが出るので入れない方がいいですね。
処理機に入れるにも、このような形で水分を飛ばしておくと、分解が早く、電気エネルギーを余分に使わず、省エネになります。堆肥として使う場所がなく、可燃ごみとして出す場合も、匂いがなく量も少ないので、取り扱いが簡単です。腐った生ごみは、堆肥化するものと一緒にせず、可燃ごみとして出してください。
集合住宅などで業務用の生ごみ処理機を使うところも増えてきています。機械の種類によっては、プラスチック製のフォークやスプーンなどのごみも一緒に処理するものもあります。他のごみと混ぜて処理したものは、堆肥にできません。生ごみをリサイクルするには、生ごみだけに分別すること、水分をしぼり、通気性を保って、悪臭・腐敗を防ぐことがポイントになるのです。
生ごみは、地球の土をよくする、なくてはならない資源です。生ごみを堆肥にして土にかえすということは、ミネラルの循環を行い、土づくりをするということです。この堆肥の土は、植物の根をしっかりさせ、栄養豊富、健康な野菜をつくることができます。ぜひ生ごみを堆肥化して、家庭から出るごみのリサイクルにご協力ください。
|
福渡和子さん 兵庫県生まれ
昭和63年、現在の『生ごみリサイクル普及会』を世田谷で主宰、生ごみリサイクル活動へ。
平成8年、『生ごみリサイクル全国ネットワーク』を設立、事務局長に。『家庭系食品廃棄物リサイクル研究会』委員他。 |
生ごみリサイクル全国ネットワーク
ホームページ:www.namagomi.gr.jp
|

福渡さんを囲んで行われた第1分科会
「家庭での生ごみリサイクルと循環型社会」 |
|
| |
|
|