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NO.76

手芸遍歴の末に辿り着いたドールハウス

日本の民家をミニチュアの世界で再現したい
 
武田 久子さん(茂原市)

  
 欧米では伝統的な手芸であるドールハウス。その名から人形の家と思いきや、本来は小さいことの比喩。だから人形はあってもなくてもよく、あくまで主役は家。上流階級の子女の躾道具として使われたのがはじまりだが、現在ではジャンルを越えたクリエイティブな庶民の手工芸だ。
 日本では30数年前に、東京でドールハウスの展示会が開催されて以来、幅広い年代層の愛好者が増えた。
 茂原市に住む武田久子さん?も、そのひとり。若い頃から洋裁、人形作り、紙粘土、ほか様々な手芸を生き甲斐にしてきた武田さんが、「本当に奥が深い」と夢中になっているドールハウス制作について語っていただいた。

◆武田さんとドールハウスとの出会いは?
 「15年位前にテレビの手芸講座で初めて知って、素敵!私にもできるかしらとテキスト通りに作ってみたのがきっかけ。出来上がったら嬉しくて、今度は自分の作りたいものをと取り組み始めたら、もう次から次へと作りたいものが出てきたのです」

◆これまで作ったドールハウスは皆、手元にあるのですか。
 「地元の公民館の文化祭に出品したこともありますが、今は睦沢町の喫茶店『匠』(TEL/0475・44・2164)さんに2点置かせていただき、6点は展示会に出品中です」

◆武田さんの手芸歴を。
 「独身時代から洋裁を習っていました。子どもが幼い頃は既製品が少ない時代だったので、ブレザーを縫ったりセーターを編んで着せていました。子育てが一段落して、やはりテレビの講座で知った紙粘土を始め、近所の公民館で小学生対象に粘土教室を開きました。私は専業主婦なので、その後も手芸仲間といろいろなものを作ってきました。今もドールハウスの制作をしながら、軍手を使った人形など作っています」

◆ご家族の反応は?
 「孫娘はドールハウスでままごと遊びを。嫁はネットでドールハウスについて調べてくれたり、息子と一緒に展示会に連れていってくれることもあります。嬉しいですね」

◆ドールハウスは洋風の作品が多いようですが、武田さんの作品は和風のものが多いですね。
 「ええ。お友達が農家の風景が載っている本を見せてくれて、こういうのを作ってみたら?と言ってくれてから。心惹かれるものがありました。私はウォーキングが好きで自宅周辺を歩くのですが、この辺にはまだ土蔵などが残っていて、造りなどを眺め参考にしています」

◆ドールハウスの制作工程と使う道具を教えて下さい。
 「まず、間取りや寸法などを考えて簡単な図面を書き、作業に入ります。床の大きさを決め、壁や柱を立ち上げ仕切りをつけ、窓枠や扉、最後に屋根をつけて、家具や小物などを配置します。道具はノコギリ、物差し、接着剤、やすり、ペンチ、ピンセット、楊枝など。いわゆる家庭にある道具で間に合います。あと、この指。皆に『その太い指でよくこんな細かいことができるわね』って言われますが(笑)」

◆材料については?
 「ホームセンターで工作用の壁紙や木材を購入しますが、菓子箱を床に使ったりと、日頃から材料になりそうな物をストックしています。小物は紙粘土や樹脂・石粉粘土で作ります」

◆ドールハウスの大きさに規定はあるのですか?
 「一応、昔から受け継がれてきた大きさの標準値は、本物の家の12分の1とされていますが、個人の楽しみで作る分には、厳密に考えなくてもいいのでは」

◆最後にドールハウス制作の魅力について。
 「身近な材料で夢や憧れをミニチュアの形で表現できることだと思います。そして、例えば小物作りには陶芸や粘土の技術が必要で、今まで経験した手芸の技術すべてが生かされるのも魅力です。手作業の集大成というのかな。私にとってドールハウスは特に奥が深いものだと感じます。細かい作業だけに老眼鏡をかけて作りますが、楽しくて時間の経つのも忘れるほど。今後は、より精巧なものを作りたいですね」  (内田)
  
武田さんの作品は睦沢町立中央公民館(ロビー)で、5/22〜8/31まで展示中
TEL/0475・44・0211


  



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