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NO.13

太古から息づく大自然の楽器 ディジュと出会って

     大木 千恵さん (自宅のブドウ園で)

 東金市『松之郷ぶどう郷』で、オーストラリアから来日したスティーブ・マフュース氏による、世界最古の木管楽器『ディジュリドゥー』の演奏が行われています。布施八郎ブドウ園の大木千恵さん(23才)が、オーストラリアで出会ったディジュリドゥー(以下ディジュ)を日本に広めたいと企画したもの。ブドウ園で、お話しを伺いました。

□オーストラリアに行かれたいきさつから、話していただけますか?
「友人の写真を見て、海の透明さや雄大な自然の風景にひかれたのが、きっかけです。2年間英語を勉強して、その後1年間バイトして準備しました。出発したのは昨年の春。現地で1年間、働きながら過ごしました」
□オーストラリアといっても広いですよね。
「大都市は興味がなかったので、通り過ぎただけ(笑)。最東端にあるバイロンベイという小さな町に行きました。そこにスティーブのディジュショップがあったのです。はじめて見た時、木目の美しさに一目惚れしてしまって…。各地を旅した後バイロンに戻り、彼の元でバイトしながら本格的に作り方や吹き方を教わりました」
□『ディジュリドゥー』。面白い名前ですね。どんな楽器なのですか?
「何万年も前からオーストラリアの先住民アボリジニに伝わる楽器です。伝統的な祝辞に用いられ、ディジュにあわせて体にペイントしたダンサーが、動物を模し踊ります。神聖なもので、男性だけ吹くことができました」
□作り方、吹き方は?
「材料はユーカリの木。しかもシロアリが内部を食べて空洞になったものを使います。後は外側の皮を削ります。その上にアボリジニ独特の技法で、動物などの絵をペイントすることもあります。循環呼吸といって唇を振動させ、息継ぎをしないで吹くんです。上手になると、大地に響くような深い音や、動物の鳴き声を模した高音がでるんですよ」
□まさに大自然から生まれた楽器なんですね。
「アボリジニは、大地も木も動物もすべて聖なるもの、と考えています。現地で知り合った友人は、『僕はアボリジニの血を少しは引いているから、自分達の先祖の文化や歴史に誇りを持ちたい』と話していました。ディジュを通して世界中にアボリジニのすばらしい歴史を広めたい、という彼らの願いもあり、世界中でディジュの人気が高まってきています。スティーブの所へも、外国からの弟子が何人かいました。ディジュの音色は、私達に何か大切なものを教えてくれるような気がします。
□ところで、東金でブドウ狩りを楽しみながら、世界的なディジュアーティストの演奏が聴ける。すごいですね。
「私がスティーブにお願いしたところ、『日本とオーストラリアの架け橋としてお役に立てれば…』と、引き受けてくれました。父も、『ブドウもユーカリも砂漠と暑さという厳しい自然条件で育つ植物。これも何かの縁だから』と、東金ぶどう郷の2000年のイベントとして、実現することになったのです」
□具体的にはどのようなことを?
「9月末までブドウ園でディジュのデモンストレーションや無料レッスン、展示、原価で販売もしています。ブドウ園は入園、試食は無料です。ちょうど今巨峰が食べごろですので、ファミリーやお友達で遊びにきてください。スティーブが11月初旬まで日本にいますので、10月からは東京などでコンサートを予定しています。またせっかくの機会、学校や数人のグループでも希望があれば、スティーブとおじゃまして、ディジュのレッスンやオーストラリアについてお話しをしたいと思います」

 何万年もの昔、オーストラリアの大地や森から生まれたディジュ。これからもディジュを通じてオーストラリアの文化を日本に伝えたい、と千恵さんは目を輝かせて話します。                                   (H)

■問い合わせ■
ディジュリドゥーに関して tel0475-63-5689 布施八郎ブドウ園
東金ぶどう郷ブドウ狩り tel0475-50-1142 東金市観光協会
現在のアボリジニはオーストラリア人口の1%、約20万人。ディジュを吹きながら伝統的なダンスを踊るカルチャーショーは人気が高い。前列左から2人目が千恵さん
ブーメランでカンガルーを捕らえる様子をディジュで表現する、スティーブ・マフュース氏。白人だがアボリジニと交流が深い。
 



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