□何故、いまチンドンを?
「ダンスや和太鼓を趣味でやっていたんだけど、自分の自由に使える時間を、ひと様に喜んでもらえることにあてたいと。たまたま創作和太鼓で、おかめ・ひょっとこを喜劇的にやったらウケた。笑うのは体に良い。よし、笑ってもらうために何かやろうと考え、チンドンを思いつきました」
□会のメンバー構成と活動状況について教えて下さい。
「平成8年に同じ思いの4人で結成し、自然と波長の合う仲間が集まってくれた。今、協力してくれている15人の座員は、茂原周辺の自営業や会社員、主婦等、職業も年齢も様々。定期的に練習したり、会合を開いたりはしないので、趣味のサークルとは活動の仕方が違うんじゃないかな。活動回数は毎月2回位。テナーサックス・吊り太鼓・三味線・アコーディオン、それに鳴り物や拍子的な物を依頼内容によって使い分ける。チンドンの興行は、ほとんどアドリブ。リハーサルなしのぶっつけ本番。その方が緊張感があってノリもいい。興行後の打ち上げを皆、親睦と、アイデア交換の場として楽しみにしている」
□ところで会の名称にもある[弥太郎]さん。本名だそうですね。
「ええ。祖父がつけた。子供の頃の私はおとなしかったので、名前ばかり有名になってイヤだった。名前に負けまいと目立とう根性で自分を変えようと、性格も変わった。そして社会人となり、自分の人生を考えた時、基盤となるものをもたないといけないと社交ダンスを始めたのです」
□プロのチンドン屋業とはちがう[くろしお弥太郎チンドン]のこだわりとは?
「まず、メンバー自身が楽しんでやろうと言っている。自分たちが楽しくやらなきゃ見てくれる人も楽しめないでしょ。それと、チンドンというと戦後の暗く辛い時代を思い出す人もいるので、私達は『チンドンシャン』と、既成のチンドンにとらわれず、自分達の個性を生かした明るく新しいチンドンを創っていきたい」
□活動の場は、どんな所でしょう?
「今までに依頼があったのは、産業文化祭・盆踊り・カラオケ大会・踊りの発表会・レジャー施設のオープニングセレモニー・神社や保育所のおまつり等の彩りとしてや、商店の開店・朝市・商店街・スーパー等の売り出しの呼び込みにと。結婚式に七福神の仮装でという依頼もありました。老人施設の慰問へも出向いています」
□お客さんの反応は、いかがですか。
「今の子ども達は、特殊メイクやコスプレ等で免疫があるので、初めて見るチンドンにも興味津々の様子。大人は懐かしがる。おばあさんが追いかけてきて『冥土の土産になる』と喜んでくれたことも」
□末吉さんがチンドンで心がけていることは?
「コンセプトはモノを大切にすること。何でも使いよう。どんなモノにも人が作ったモノには心がある。その心を生かしたい。世にリサイクルと言うが、私の場合、ヒラメキ。衣装も小道具も廃品利用の手作りが多い。それと、人間はリズムの生き物。リズムから離れると年をとる。だから、常にリズムを大事にしています」
□今後も、仲間とチンドンを続けていくのですか?
「はい。仕事以外の世界も持たないと、生きている証が得られないと思うから。そして、それが自分なりに誰かの役に立てることであれば、潤いのある人生が送れるんじゃないかな。コレがあるから仕事も頑張れるというものが必要。チンドンは、私にとってそんな存在なんです」 (内)