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NO.17

自然体験から学ぶ 生きる力・生命のふしぎ

  新 広樹さん

いま学習塾が変わりつつある。受験のための知識や技術だけでなく、生きる力を育むための自然体験をプログラムした教室が人気という。学習教室の他に月2回の自然体験教室のある学びパークhウィズf(おゆみ野)を訪ね、リーダーの新広樹さんに話を聞いた。

□先生はこの3月まで学校の現場にいらっしゃったとお伺いしています。
 「小、中あわせて25年。数年前からは教務主任として2002年から始まる新しい教育課程に携わって来ました。各学校独自の時間が与えられるh総合的な学習の時間fは自然体験や地域とのふれあいを学習に活かすことが含まれています。実際に進めて行く過程で文部省の目指すものと現場に大きな差を感じました。それにクラス担任を離れ、子供たちとのかかわりの少ない仕事に私自身疑問を感じるようになっていました。自分の気持ちを貫くのであれば、今がチャンスと独自の教育の場を設立しました」
□ 大きな差とはどんな?
 「いま休み時間に校庭で子供たちと一緒にドッチボールやサッカーをする先生を見かけることが少なくなりました。ここ10年、先生の平均年齢が高くなっています。20代の若い先生は各学校にひとりかふたり。少子化でクラス数も増えないので新規採用がないのです。私は教師には、ふたつの教育活動があると考えます。ひとつは文部省の指導要領に従った教育。もうひとつは普段の生活のなかで、人と人とのかかわりを教えること。それには先生と子供が遊ぶことが大事なのです。コミュニケーションをきちんと取っていれば不登校も学級崩壊もきっとおこらないでしょう」
□なぜ遊びがなくなったのでしょう?
 「昔は学校を離れても先生と生徒が遊んでいました。でも山や川で事故が起きたとき、責任は連れて行った先生でした。どんなに気をつけていても避けきれない災害はあります。先生たちは積極的な活動が出来なくなりました。校外での個人活動でも責任問題が先に来て、多分許可が下りないことが多いでしょう」
□いまの子供たちは自然に親しむ機会が減ったといわれますが。
 「それは自然が減ったからではありません。田舎だって同じです。子供たちは自然とどうつきあっていいのか分からないのです。小学生の時、学校帰りのあぜ道で私は意味もないのに石を投げて蛙を殺しました。命中した蛙が白い腹を見せて流された姿を今でもはっきり覚えています。中学生の頃なぜあんなひどいことをしたのか何度も反省し、同じ事をしている小学生を見かけると注意するようになりました。子供はそうやって命の大切さを体で覚えていくんですね。自然の中では協力しあうことも学びます。危なくないように知恵もつけます。自然体験は心を育むと同時に生きるための力も育てます。磯遊びで潮の満ち引きを知り、中学生になって教わる月の引力でその体験を思い出します。生きた学びとしてしっかり刻み込まれるわけです」
□遊びの楽しさ、大切さを知っている指導者が求められますね。
 「はい。夏休みだけ、冬休みだけではだめなんですね。長期戦です。冬のきびしさ、春のやわらかさ、燃える夏、秋の落ち着き、年間を通してふれることで本当の自然がわかるのです。また行くだけでは十分とはいえません。そこで遊んで活動してはじめて体験出来るのです。自分の見てきたこと聞いてきた事を目を輝かせて話す子供を見て、お父さんお母さんが参加される例もあります。これからはスタッフ以外にもたくさんの方々を巻き込んでいきたいと考えています」

 失敗や堂々巡りをくり返しながら学んでいく子供たちを、大人は正しく導びくことが出来ているだろうか。親が自然体験の価値に気付きはじめたいまが良い機会だと新さんは話す。命の不思議さ、すばらしさ、自然が教えてくれることは、はかり知れない。そこから遊びを通じて生きる力を子供たちに学んで欲しいと願う。(国)

学びパークWith  TEL 043-293-4727
養老川で遊ぶ子供たち
 



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