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NO.18

「花たちがより輝けるように」

フラワーデザインスクール講師
  北 尾 昌 子さん

 フラワーデザイン講師・北尾昌子さんを訪ねた時のこと。小さな花束をいただいた。半円形の和紙が二つ折り。合わせた部分を小枝で留めて、中には淡いピンクのイングリッシュローズと赤いサンゴミズキ、紫の濃淡の千日紅、そして深緑のモミの葉。顔を近づけると、かすかにバラの香りがして、もてなしの心が伝わってきた。

○量がわずかでも、アレンジひとつでおしゃれになるんですね。伝統的な華道との違いは、どんな点ですか?
「生ける『かたち』が違うと思っていただければ。自然のものに少し手を加え、花たちがより輝けるように生けるという点では、きっと同じだと思います」

○フラワーデザインの勉強はいつごろから?
「習い始めて11年です。先生には生け方を教わるだけでなく、PTAの講習会や花展、文化祭の飾り付けなどのお手伝いをさせていただきました。水あげ、色の取り合わせ、花の状態の良し悪し、一回に使う量など、  

○生ける上で工夫されていることはありますか?
「身近にある様々な物を取り入れて楽しむようにしています。たとえば石を利用するのもデザインの一つ。石は地域によって形も色も違いますから、旅行先で拾ってきたりします。解体した家の壁のクズをもらってくることもありますね。ブロッコリーやトウモロコシ、スライスしたレンコンやミカンの皮などは、剣山として活躍します。ユニークでしょ。私、いつも面白いものはないかナ、使えるものはないかナ、って目をキョロキョロさせているんですよ(笑)」

○初心者向けに、お花の組み合わせや、生け方のアドバイスを。
「基本は形状が違うものを組み合わせることです。フィラーフラワー(小さな花が沢山ついたもの。空間を埋める。例・カスミ草)、マスフラワー(沢山の花びらがついたもの。例・バラ・ダリア)、ラインフラワー(線状の花。例・グラジオラス)。この3つを組み合わせると形になります。色は青と黄のように対照的なものを組み合わせるか、逆に同色の濃淡にして、これに白やグリーンを入れると、まとめやすいですね」

○お花にふれているとストレスなんてないでしょ?
「すべてに言えることでしょうけど、何かを習ったり、人に教えたりするって、自分の勉強が欠かせません。花展もありますし。でも考えても考えてもデザインが浮かばず、行き詰まることが結構あるんです。私の場合イライラする時は、縫い物を始めることにしています。中でもテディベアを作っていると、気持ちが安らぎます。布は自分でハーブやタマネギで染めたりもします。義母にプレゼントしたら、純毛なので抱いて寝ると(笑)とても暖かい、と喜んでくれました。たかが縫いぐるみですが、作るためには動物の観察が必要です。毛は鼻から外へ向かって流れているとか、耳はどのようについてるかなど、しっかり見て知ることが大事なんです。お花にも通じるものがあって、満足できるデザインを生み出すにはお花の特性をつかみ、センスを磨くための訓練も必要だと思いますね。人の感性にふれているうちに、自分の感性が目覚めてくることもあります。それによって植物の表情を一番美しく見せる生け方とか、不必要なものが見えてきます」

○生活に取り入れる方法や、生ける場所について一言。
「上から眺めるか下から見上げるか、また器によっても生け方が違ってきます。たとえば花器がガラス製なら、陽に当たってキラキラ輝く窓辺がいいですね。廊下やトイレなどには、ツルで編んだネットに、空きビンや花専用の試験管をワイヤーで結び、壁につるします。これに観葉植物を挿すと、陽が当たらなくても、根が出て長い間、緑を楽しむことができます。それからパンジーやビオラは鉢植えだけではもったいないですね。アイビーのような葉物と一緒にかごに入れ、玄関に置けばお出迎えの気持ちが表せます。身のまわりにあるものを活用し、アイデアで飾ってほしいと思います」
  *  *  *  *
 お手製のティーマットの上に木製のお皿。手作りケーキの脇には小さなコーヒー用ミルク入れ。中に入っているのはミルクではなくて、真っ赤な木の葉が一枚と、モミの小枝、そして結んだミスカンサスの葉。色の取り合わせもさることながら、それぞれに小さな存在感があって、演出の上手さを感じさせた。 (不)

・国分寺台在住 37才
・マミフラワーデザインスクールの登録講師
・テディベア講師

ネットに試験管をつるして観葉植物を生ける

ブロックを剣山代わりに
 



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