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NO.148

  

 自分らしく、ガラスらしく
 透明感溢れる
 美しいガラスの世界

  
 市原市八幡の平成通り沿いを歩いていると、かまぼこ型の変わった建物が目に入る。須藤泰孝さん(32)と妻の亜希さん(33)が営むガラス工房『rasiku(ラシク)』だ。2人は数々の展覧会で受賞経験がある実力の持ち主。工房内では奥の溶解炉と研磨機を使用して作業が行われ、右手には美しいグラスやユニークな模様のコンポートなどが並んでいる。なぜガラスなのか、作品へのこだわりとは何か。そんな思いを胸に、工房を訪ねた。
■泰孝さんは市原、亜希さんは埼玉出身だとお聞きしました。お2人のガラスとの出会いは?
 泰孝さん「東京の大学に通っていた頃、下宿先の近所に個人でガラス工房を経営している方がいたんです。母親や妹が裁縫や染色等の仕事に携わっていたこともあり、僕自身、ものづくりに興味があったので、思いきってその工房に通い始めました。簡単な作品から少し凝ったものまで一通り基本を教わって。どんどんハマっていきましたね。もっと素材について学び、色々な作品に挑戦したいと思い、大学卒業後に富山ガラス造形研究所へ」
 亜希さん「私はもともと美大に行きたくて、浪人していました。当時は『ものづくりがしたい、でも素材はまだ決まっていない』という状態。偶然行った展覧会で作家さんの作品を見て、その透明感に惹かれ、ガラス工芸にしようと決意しました。同じく富山の研究所へ。そこで1年先輩だった彼に出会い、同じ関東出身共通点から会話も弾み仲良くなりました」
■ラシクを設立するまでの数年間は富山で暮らしていたそうですね。
 泰孝さん「はい。富山の工房に勤務していました。彼女は研究所で造形科を卒業後、研究科に進み知識をさらに深め、5年前にはプラハの芸術建築デザインアカデミーに留学して。翌年には結婚し、一昨年の秋に僕の故郷である市原で『ラシク』を始めました。といっても1年間は準備に費やしたので、本格的に工房として動き出したのは去年の冬なんです」
■なぜ『rasiku』?
 泰孝さん「『自分らしく・ガラスらしく』という意味。作品に自分の個性を追求すること、『自分』を投影できるようになるというのが一生のテーマだと思っています。それに素材が出す輝きを、そのまま活かしたデザインにしたいという思いもあって付けた名です」
■作品はお2人とも全く違いますね。
 泰孝さん「僕は、溶解炉で溶かした約1100度のガラスを吹き竿で巻き取り、息を吹き込んで形づくる『吹きガラス』が基本。色や大きさ、形など様々ですが、作品のほとんどが『器』です。飲みやすさ・口あたり・持ちやすさ等は器の条件。新デザインを作ったら必ず実際に使用してチェックをします。毎回付けているタイトルは、日常の何気ない時間の中で目にした景色。酒器『空模様』は、空を紅く染めた夕日をイメージして作りました。いつ、どこで見たのかは覚えてないけれど、頭の中に残っていた情景を表現するんです」
 亜希さん「私は板ガラスにこだわっています。素材そのものの青が好きなので、素材の色を活かします。何枚もはり合わせてパーツをつくり、温めて加工。層に空気を入れていくことで、形や色、模様が変わっていくのがおもしろくて。実際に使用する時、中に入れるものによって見え方が変化するのも魅力のひとつです」
 泰孝さん「ちょっとした温度や時間の差で、全く違う作品ができるから難しい反面、おもしろいんですよね。磨きの調節次第で半透明にもなるし、色の付いたガラス粉を使えばデザインの幅がさらに広がる」
 亜希さん「そうそう。ガラスは七変化する素材なんですよ」
■器以外に作ってみたいものはありますか?
 泰孝さん「照明などのインテリアにも挑戦してみたいです。光を当てることでまた違う表情が楽しめると思うので。ガラスがもつ無限の可能性をどんどん試していきたいです」
 今年は待望の第一子も誕生し、子育てと制作活動で大忙しの日々を送る2人。「特にこれからの季節には涼しげでピッタリですよ」と笑顔で語ってくれた。体験も行っているので、直接見て触れて、美しいガラスの世界を感じて欲しい。(斉藤)
  
お問い合せ/ガラス工房ラシク map
TEL&FAX.0436-42-2261
メール info@rasiku.info
http://www.rasiku.info
※作業中は電話に出られないのでFAX・メールにて問合せ。



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