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NO.67

自然を遊び相手に
大切なのは、何かを見て感じる心

伊藤佳忠さん(右端)潤井戸在住 51才・千葉県生涯学習指導員 ・自然観察指導員・市津野草の会会長   ・市津さつき会会長
 

昨秋、好評だった南総公民館での「ツルでかごを編む講習会」。講師の自然観察指導員・伊藤佳忠さんは時間さえあれば海や野山を駆けめぐる。
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◆自然と関わるようになったきっかけは何ですか。
・・私は手先を使うことが好きで、20代の頃、石に彫刻したり灯篭を作ったりしていました。ある時、灯篭をプレゼントしたお宅で、サツキの盆栽を見て、自分もしてみたくなりました。
◆20代で盆栽ですか!?
・・そう。ものを作り出すにはバランス感覚が必要で、なかなか面白いんです。その後、市津の有志達で『さつき会』を発足させました。季節になると展示会も開きます。僕達のテーマは「見せる」のではなく「見てもらう」こと。どのようにしたら、見る人に楽しんでもらえるか、色々工夫します。ある日、ふとサツキ盆栽の添えに草を置いてみました。するとサツキと草が、互いの良さを引き立てることに気づきました。それは華道の世界と相通じるものがあります。真・行・草・。空間がつくる美的バランス、さらに木にも格があることが分かってきます。すると単に一つの盆栽では済まなくなってくるんです。華道・茶道・武道・教育。いろんな『道』に共通点があることを知りました。40代になった時、「最終的にはh自然iだな」と思ったのです。大きくて精神的にも一番リラックスできるのは自然しかないと。生態を作品に表現してみたくなり、山や海に出かけるようになりました。かぶれをおこす植物、さわるとしびれる魚、山には山の、海には海の生態があります。自然観察指導員になったのもその頃です。市原の自然の歴史や植物、生き物などについても勉強しました。観察会も年に何回も開いています。
◆どんな観察会ですか。
・・この夏はホタル観賞会をしました。ホタルの足は何本、発光体の正体は何々、というようなことは事典で分かります。でも、においを嗅いだことありますか、ホタルが出す信号を知っていますか、となるとほとんどの人が知らない。観賞会では参加者が一列に並び、ホタルを呼ぶ信号を送りました。すると田んぼの向こうから、後ろの山の方からも、こっちに向かって飛んで来たのです!!子供の体にとまるのもいます。全部自然のホタルです。この『感動』をあげたいのです。
◆場所は?
・・ここですよ、ここ! 市原市潤井戸の話です(笑)。カタクリの南限も潤井戸だそうですよ。『自然観察』というのは、自分の住むホームグランドの良さをよく知ることが大事です。地盤ができてから、先へ伸ばしていくことです。また、生態や名前を知るのは観察の中のほんの一部。大切なのは何かを見て感じる感性です。昨日、富津に行きました。大海原の前に立ち、両手を広げ、潮風に吹かれながら、思いきり深呼吸しました。h今、あなたは何を思いますか?iと隣の人に聞きました。お互いに感じたことを話します。意見・感想が一人ひとり違う・それが素晴らしいのです。それとネ、知識を知識だけで眠らせておくのではなくて、生活に取り入れると楽しみが増えますよ。
◆例えば?
・・僕の家の周りにクマザサが自生しています。クマザサにはオリゴ糖が含まれています。そこでカキやビワの葉、ヨモギ、イカリソウを一緒に乾燥してミキサーにかけ、お茶にします。また釣りに行った日、魚をお裾分けする時は、裏から竹を切って2つに割り、皿代わりにします。季節の草花を一輪置くだけでスバラシイ盛り合わせになります。
◆風流ですね。
・・キャンプでは竹トンボや笛、ゴムパチンコを作って、ゲームをします。自然の物を遊び道具にするのはアウトドアの基本です。
◆では最後に、秋の野山をより楽しむには?
・・自然は材料探しの宝庫と思って下さい。歩きながら上を見たり、下を見たりして、ブローチになりそうな木の実、かごを作るためのツルなど集めます。散策を楽しみ、帰ってからはネイチャークラフトを楽しむ・いかがですか。
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居間の絵皿は、観察会の思い出を描いて自分で焼いたもの。自然と関わって得た知識や感じたことを、『形』にして何倍も楽しむ人である。   (不)

 



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