スポーツ愛好者にとっては、春から秋にかけて親善試合や各種大会がふえ、練習に身が入ります。また学校の部活においても、夏の大会へ向けていっそう熱が入ることでしょう。そこで今回はスポーツリハビリテイション 『アルツール』の安田義治さんにインタビューしました。▽このお仕事を始められたいきさつをお話いただけますか。
◆高校時代、国立競技場でサッカーの試合を見て、トレーナーの仕事にたいへん興味を持ちました。ドクターと一緒にベンチに待機し、選手がケガした時にかけつけます。そのまま試合に出すか、やめさせるか、瞬時に判断し、処置をします。僕自身、スポーツが好きで小学校からサッカーをしていましたし、運動がおよぼす人間の体にも関心がありました。「スポーツ関係の仕事をしたい!」の思いが強くなり、カイロプラクティックの先生にお世話になりながら、トレーナーになるための勉強をして、国家資格をとりました。
▽その後は?
◆トレーナー派遣会社に勤務し、いろんな企業のサッカー、バレー、ラグビーなどのチームと帯同して、コンディショニングや治療にあたりました。八重洲支店に勤務していたころ、出入りする中に住友金属の選手がいて、これが縁で住友金属サッカー団に入ることになりました。その後、鹿島アントラーズへ。Jリーグが始まる一年前の話です。▽鹿島アントラーズといえば、ジーコ選手(現在は総監督)ですが、印象に残っていることはありますか。
◆僕の契約と、住友金属にジーコが来たのと同時でした。ホテルでジーコに呼ばれ、部屋に入って驚きました。きれいに磨かれた何十足もの靴や沢山の服が、実にきちんと整理されていたのです。彼は非常に几帳面でした。日本人はだらしなくうつったようで、クラブハウスに行くと、僕にホーキを持ってこさせました。自分の周りをきれいに掃除してから服を着替え、手際よく荷物を整理しました。もちろんスパイクはピカピカ。彼は他の選手達を呼んで、ハウス内を片づけさせました。カリスマ性があるというか、つき合っていく内に、自分がどんどん変えられていく感じがしました。▽スポーツリハビリを始められたのも、何か影響がありますか。
◆ジーコがひざを傷めた体験から「日本はスポーツ医学が遅れている。ヨーロッパでは専門のリハビリがある」という言葉がヒントになったのは確かです。また某高校のトレーナーとしてドイツへ行った時、大学病院でスポーツリハビリの現場を見せてもらったことも大きかったですね。▽スポーツリハビリとは?
◆ケガの回復を待たずに、積極的にリハビリして、回復を早めるようにするものです。スポーツのケガだけでなく、何らかの傷害で悩んでいる一般の人も受けられます。たとえば事故でムチウチになったとか、家の中でころんだとか、ですね。▽専門的な治療はお任せするとして、せっかくの機会ですから、何か自分で出来る応急処置を教えていただけますか。
◆では、どのスポーツにも一番多くおきる捻挫についてお話しましょう。捻挫すると細胞が死にます。そこで正常な細胞を仮死状態にして細胞が壊れないよう、なるべく早くアイシング(氷で冷やすこと)します。冷蔵庫の氷の場合は一度水にぬらしてから、ビニール袋に入れハンカチで包んで患部にあてます。はれを防ぐには、伸縮性の包帯を水で湿らして巻き(熱伝導を高めるため)その上に氷をおきます。ただ眠っている間は、筋肉を修復する成長ホルモンが出ますから、夜は圧迫しない方がいいでしょうね。応急処置しだいで、そのあとの回復が全然違ってきます。▽ところで運動するとノドが渇くし、お腹もすきます。その点についてもアドバイスを。
◆まず十分に水分の補給をしてください。水の他に牛乳、あまいスポーツドリンクなら倍に薄めてください。100%のオレンジやグレープフルーツのジュースは最適です。それからタンパク質を、運動後2時間以内と、夜の2回に分けてとるのも筋肉修復の手助けをします。筋肉を傷めると免疫力が低下するので、ビタミンCをとることも大事です。部活の帰りなど、つい脂肪の多い物を買い食いしたくなりますが、体が望む食べ物をとって下さい。▽体が望む食べ物の一例は?
◆梅干し入りおにぎりとか、アンパンとか(笑)。▽ありがとうございました。 姉崎に『アルツール』を開設して一年。今も鹿島アントラーズのファンだという安田さんです。これからは地元チーム・ジェフ市原の応援もヨロシクお願いします!ね。(不) 写真説明 姉崎にスポーツリハビリテイション&メディカルケア「アルツール」を開業