夏を賑わせるセミ。彼らの鳴き声を聞くと暑苦しささえ感じることがありますが、それが季節感なのでしょうか。
多くのセミの中でも特に身近なセミといえばアブラゼミ。そんなアブラゼミの羽化はこの季節、容易に観察することができます。夕方から夜9時ごろにかけて土の中から抜け出して草木に登り羽化します。背中が割れ、白に緑がかった美しい体が現れ、それが徐々に殻から抜け出し、羽化していく様は生命力を感じるとともに神秘的でさえもあります。
不思議なのは幼虫が抜け出た穴。穴の周りには掘った土がありません。土をどうしたのかを考えたことがありますか?幼虫は長年樹木の根元で樹液を吸いながら生き、羽化前に地上へ出るためにトンネルを掘ります。その際、掘った土は尿などを利用してトンネル壁面に塗り固めるそうです。だから穴の中やその周りに土がないのです。
また、セミは逃げざまに液体を排出し、俗に「おしっこをかける」などと言われますが、実際は飛ぶために体を軽くするためという説等があり、人間など敵を狙っているわけではないようです。主成分は水で、有害物質はほぼ含まれないのでご安心を。
6、7年ほど土中で過ごし、地上に出てから2週間の命。切なくもたくましく命を引き継ぐセミ。一生懸命に鳴く声に耳を傾けたり、神秘的な羽化を観察したり、羽化殻を集めたりとセミと触れ合ってみませんか?
ナチュラリストネット/岡 嘉弘
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