人を楽しませたい 笑顔を届けて踊りたい~ 市原ハワイアンフラ協会代表 佐藤和子さん~【市原市】

『市原にハワイの風を』をキャッチフレーズに活動する市原ハワイアンフラ協会は、フラダンスを通して市民との交流と市原市の活性化を図ることを目的に、2007年1月に設立。市原市内外の各イベントに子どもから大人まで約300名の会員が参加し、介護施設、公民館、学校等でのボランティア活動も展開している(コロナで活動休止あり)。代表を務める佐藤和子さんはフラ歴25年。10代から45年間バスガイドを勤め、バス会社を退職した現在も旅行会を企画し、自らガイドも担当する。「自分が楽しむより人を楽しませる方が好き」という佐藤さんに話を聞いた。

歩んできた道 フラとの出会い

 佐藤和子さんは福島県川内村出身。小学1年生の学芸会で『鞠と殿様』を踊った時、上級生が舞台に蝋を塗る悪戯をし、大勢の前で思いっきり転んでしまって以来、踊りが大嫌いになったという。もう絶対に踊りはやらないと心に決めた瞬間だった。学業を終えると、村ののど自慢大会で優勝したり話し上手な佐藤さんに、当時の担任は『和子はバスガイドになれ』と言って就職先を探してくれた。夜行列車に揺られ故郷の福島から上京した佐藤さんはバス会社に勤務。「バス会社の仕事を覚えるた めに勉強、勉強の日々でした。もともと人を楽しませることが好きだったので…」と、苦労の日々を微笑んで振り返った。

市原ハワイアンフラ協会幹部の皆さん。左から工藤さん、本郷さん、佐藤さん、境さん

 バスガイドとして多忙な日々を送る佐藤さんがフラと出会ったのは、1996年4月。「佐久間前市長の奥様の佐久間芙美江先生と出会い、先生からのお誘いでフラを始めました。4年ほど経った頃、教室の皆さんとハワイへ行く機会を得ました。今までに味わったことのない空そして空気に魅了されました。以来20数年フラを続けています。佐久間先生からは笑顔と仲間づくりの大切さを学びました」と幼少期からの踊り嫌いを返上。後に鳴り物(楽器)を使うフラもやってみたいと教室を移り、市外の仲間も増えた。そして2007年仲間と共に市原ハワイアンフラ協会を立ち上げた。

 東日本大震災が起こると仲間とチャリティーフラを実施し、被災者の癒しになればと被災地を訪れ一緒にフラを踊る機会を設けたり、震災孤児施設の子どもたちへ玩具を贈ったり、支援金を送り続けてきた(現在は支援金のみ)。

フラの仲間が語る佐藤さんの魅力

 佐藤さんは「当時は市原でフラをやっている人が大勢いましたが、市外のイベントが多かったため市原に他県からの人を呼び込み、市原を有名にしたい、活性化させたい、フラの街にしたい、その一心で協会を立ち上げました」と思いを語る。そんな佐藤さんのもとには彼女の人柄に惹かれ仲間が集まってくる。

 取材当日、夢ホール(更級)で行われていた佐藤さんの教室『アロハパルパル』で、インストラクターとして参加していた斉藤さんは「丁寧に細かいところまで教えてくださる先生、優しいから人が集まるしお喋りが楽しいから笑いが絶えない教室です」。85歳の受講生は「先生はお話が面白い、お喋りが楽しい」と話す。

 協会副代表の本郷さんは「誰にでも優しく平等に接する人です」。広報担当の工藤さんは「行動力がすごい。一つのイベントが終わるとすぐに次のイベントのことを考えています」。同じく広報担当の境さんは「行動やお話のされ方に共感できて惹きつけられます。どうすれば人が喜ぶか常に考えています」と理事からの信頼も厚い。

 一方、協会が主催する体験の機会として『楽楽エンジョイフラ』があり、こちらは今年4月からスタート。フラ用スカートの無料貸し出しもあり気軽に参加できる。

優しさ、感謝、笑顔を花とキャンディーに込めて

佐藤さんの教室『アロハパルパル』受講生の皆さん

「教室の生徒さんたちは高齢者が多く、あちこち体が痛む方もいらっしゃいますから、お互いにいたわりあって楽しくやっていきたいです。舞台の方は、お客様に喜んで帰ってもらえるようアロハの精神で頑張っています」と佐藤さん。『見せてあげる』ではなく『見ていただいている』という感謝の気持ちを忘れず、これからも精進していきたいとのこと。

「以前はイベントで珈琲を皆さんに提供していましたが、コロナ感染防止のためキャンディーに変更し、公演終演時には舞台飾り用のお花をプレゼントし好評を頂いています。懐かしい曲に振りを付け一緒に踊ったり歌ったり。フラを通して一人で暮らしている高齢者が少しでも集えるような場所を作っていきたいです」と思いを膨らませる。新年は1月のチャリティーフラを皮切りに各フェスティバルやイベントが予定されている。

 

問合せ:市原ハワイアンフラ協会・佐藤さん
Tel.090・2222・0906

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