ふるさとビジター館 自然探訪~アカメガシワ~

 新芽が出始めた春の里山を散策してみた。葉の色や形、大きさなど種類の多さが感じられる。葉の多様性といったところか。

 そんな中で高い木の枝先の赤い葉が目に入った。写真に撮り、帰ってから調べてみた。トウダイグサ科アカメカシワ属の落葉高木アカメガシワ(赤芽柏)であった。

 高さ15メートルになる。葉は長さ7~20センチ、幅5~14センチの広卵型、両面に星状毛がある。花は雌雄別株の円錐花序、花に花弁はない。新芽の色とカシワのように葉を食器の代わりに使ったことから名付けられたという。食器代わりの葉にはゴサイバ(五菜葉)、サイモリバ(菜盛葉)の別名もある。

 古代から親しまれていたようで、万葉集のヒサギ(久木、比佐木、比佐宜)
はアカメガシワの古名。ヒサギの実と葉は染料に、樹皮は生薬に、若葉は食用に、材も軟らかく床柱、下駄、薪炭に使われていたという。

 今でもどこかで使われているかと思われるが、身近な材料ではなくなってきている。天然資源が減ってくると過去の材料が見直されるようになる。その時まで大切に残っていてほしいと願う。(ナチュラリストネット/野坂伸一郎)

 

◇ナチュラリストネット/自然を愛する仲間の集まりです。豊かな自然環境をいつまでも永く残したいと活動しています。 Tel.080・5183・9684(野坂)

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