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- ふるさとビジター館 自然探訪~正月飾りの縁起物・カラタチバナ~
ふるさとビジター館 自然探訪~正月飾りの縁起物・カラタチバナ~
- 2025/1/1
- 市原版, シティライフ掲載記事
正月飾りの縁起物に赤い実のカラタチバナがある。これを探して冬の里山を散策した。数は少ないが一株見つかると近くに数株見つかった。11月頃から赤く熟していたようだが気づかなかった。赤い実は近づいて上目線から探しても葉に隠れて見つかりにくく、しゃがんでの遠目のほうが見つけやすかった。
ヤブコウジ科ヤブコウジ属の常緑小低木、大きくても高さ70センチで、あまり枝分かれしない。葉は互生、長さ8~20センチ、幅3センチの披針形、先はとがり、縁に波状の鋸歯がある。白い散形状の花は大きさ8ミリ。7月頃、葉腋に10個ほどつく。球形の核果は大きさ7ミリ、11月頃から赤く熟し4月頃まで残るというが、鳥に食べられて残っているものは少ない。
カラタチバナ(唐橘)の名前は、白い花の姿が中国の「唐」に自生していたミカン科の「橘」に似ていたから。また、中国の本草綱目に載る「百両金」が、本種に相当すると考えられての別名がヒャクリョウ(百両)。このヒャクリョウより赤い実の数が多いのでセンリョウ(千両)と名付けられたもの、さらに赤い実の数が多いのでマンリョウ(万両)と名付けられたものも、正月の縁起物に飾られる。
野生のものはそのままその場で大切に見守っていきたい。
(ナチュラリストネット/野坂伸一郎)
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