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「言い訳はしない」常に全力投球
- 2014/10/3
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ピアニスト 白鳥絢子さん
市原市在住のピアニスト、白鳥絢子さん(31)は、演奏活動と自宅でのピアノ教室を中心に音楽活動を行っている。演奏会は年に10回ほど。都内のコンサートホールやライブハウスなどでステージに立つことが多い。ソロコンサートの他、朗読のBGMや歌の伴奏者として出演することも。「こう見えて、とても緊張するタイプ。特にソロの本番前は胃痛と慢性的な吐き気に見舞われます」と明るく笑う。
母親の白鳥照美さんは「生後6カ月頃からおもちゃのピアノが大好きでした。従兄弟のお下がりの笛やタンバリンなど楽器を持たせると機嫌がよかった」と振り返る。両親は音楽家ではないが、家事をしながら歌を唄う照美さんの姿が、幼かった絢子さんの心に残っている。4歳からピアノを習い始めたが「小学校低学年の頃はあまり真面目に練習しませんでした。虫を捕るなど外で遊ぶことが大好きな女の子でした」。8歳の時に田んぼで捕ってきたカメを今も庭先で飼っている。ピアノのレッスンに来る子ども達にかわいがられているのだとか。
「高校から音楽の道へ進むと決めたあとは1日に4~6時間、一生懸命、練習に励みました」そして市原中央高等学校芸術コースピアノ科に見事合格、その後、武蔵野音楽大学器楽科ピアノ専攻へと進学した。高校時代はバンドを組み、ドラムを叩いていたという。2002年にはポーランド国立クラクフ室内管弦楽団と共演、第9回北関東ピアノコンクールでは第1位に輝いた。他にも様々なコンクールで上位入賞を果たすなど受賞経験が増えてくると、演奏会のオファーが舞い込むように。そんな中、今年の6月、初めて自らつくりあげたコンサート『音の森』を市原市市民会館で開いた。普段、音楽に触れる機会のない人や子どもが最後まで楽しめるようにと高校時代の同級生4人で企画。この日はゲストのマリンバ奏者も加わった。ショパンの『幻想即興曲』など有名なクラシックも取り入れながら、アニメやポップスなど誰もが知っている曲を選択。4人が1台のピアノを代わる代わる弾くリレー連弾もあり、見て楽しめるパフォーマンスも。「私も2児の母親。子どもが演奏会で飽きてしまうのがよくわかります。だから、こういった企画を考えました。クラシックは難しくないんだよと知ってもらういい機会にもなると思う」と気さくな口調で話す。『音の森』は来年も1月25日(日)に戸田コミュニティセンターで、6月14日(日)に市原市市民会館にて開催予定。「以前は、特にソロのコンサートはどれだけ難しい曲を弾けるか、いかにテクニックを見せつけるかが重要だと思っていました。今は、お客さんに『上手だったよ』と言われるより『楽しかった、来てよかった』と言われる方が嬉しい」
小学生と幼稚園の子どもを持つ母親であると同時にピアニスト、生徒40人を抱えるピアノ教師でもある。その多忙さは想像に難くない。子どもが学校と幼稚園に行っている間にピアノ室で演奏活動に向けた練習を行い、子どもが帰宅する時間には生徒たちのレッスンが始まる。その合間を縫って食事を作る。「料理は大好きです。子どもと時間のすれ違いが多いので、ご飯だけはきちんと作りたいと思って。主人のお弁当も作っていますよ」。照美さんは「母親の役割をきちんとした方が感情表現も豊かになると思い、手伝いすぎないようにしています」と話す。
絢子さんと生徒が一台ずつ弾けるように2台のグランドピアノを並べて置いてある。「演奏の手本を見せるとき、生徒の脇で立って弾くより、きちんとした姿勢で鍵盤を叩く手を見せる方がわかりやすいと思うのです」と、こだわりを見せる。
「子どもがいて、且つ生徒の指導がある。独身で演奏を中心に活動している人と比べると練習をする時間は圧倒的に少ない。でも、それはお客さんには関係のないこと。逆に演奏会を控えていると心に余裕がなくなるが、それはまた生徒には関係のないこと。言い訳はしない。いつも100%の力でそれぞれに集中してやろうと思っています」真っ直ぐで力強い彼女の生き方は演奏にも表れているような気がする。
好きな作曲家を尋ねると「ショパンやリストもよく弾くがヒナステラやカプースチンなど、やや前衛的な近代、現代クラシックが自分に向いていると感じています」と答えた。
10月29日(水)12時15分から30分間、市役所でのロビーコンサートに出演する。心に響く白鳥さんの演奏は芸術の秋におすすめ。
問合せ 白鳥さん
TEL 080・6509・0992
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