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- 地域の宝を掘り起こし、次世代に伝える一世を風靡した浪曲界の大御所 春日井梅鶯の資料展開催中
地域の宝を掘り起こし、次世代に伝える一世を風靡した浪曲界の大御所 春日井梅鶯の資料展開催中
- 2015/3/20
- シティライフ掲載記事, 市原版

市原市の市原鶴舞郵便局で、地元出身の浪曲師・春日井梅鶯の資料展が3月27日(金)まで開かれている。春日井梅鶯、本名は安藤金作。明治38(1905)年、市原郡内田村に生まれ鶴舞で育った。
14歳の時、旅回り専門の浪曲師・春日井梅吉に入門し、師匠の勧めで上京。21歳の頃に鶴舞に戻り地域で浪曲を披露したが、2年後、再び上京し春日井梅鶯の名で高座に上がるようになる。数年後、東海林太郎の『赤城の子守唄』を浪曲作家の脚色で演じて、一躍スターダムにのし上がった。その後も「梅鶯節」で出すレコードはヒットを飛ばし全国的な人気を誇り、国内外で活躍した。44歳まで東京で仕事をし、45歳の時、鶴舞に戻り、一人娘の加寿子さんが浅草国際劇場で襲名披露を行い二代目となる。初代は日本浪曲協会の第3代会長を務めた。69歳で逝去。加寿子さんは54歳まで東京で仕事をしたのち55歳で鶴舞に戻り、現在88歳になるが、引退はしておらず休演中とのこと。
今回の展示を企画したのは、二代目の加寿子さんと親交のある鶴舞在住の大岩裕幸さん(61)。今までも、勤務していた市原市の図書館や公民館で市の記念事業の一環で資料展を開催したことはあったが、地元で行うことについて、「今回は特に鶴舞の人に是非観てもらいたい。鶴舞は花見で有名であり、今年も3月29日から花まつりも開催されることから、あらためて地元の偉人を紹介したい」と話す。
「初代が活躍している時期に、鶴舞のお茶屋の主人、柴嵜さんが地元で後援会をつくりたいと許可をもらいに東京まで出向いたり、海外公演の際には羽田まで貸切バスで出迎えに行ったとか。こうした地域の宝でありながら、時が経てば忘れられてしまう、埋もれている人を掘り起こし、次の世代に伝えていきたいと考えている。また、ご年輩の方には古き良き時代を振り返ってもらえたら」と大岩さん。
10年ほど前、鶴舞の秋祭りが行われた時には公民館で、初代が出演した映画『情炎峡』(昭和27年封切)のビデオを上映した。二代目も来てくれ、鶴舞の人たちも大勢来た。鶴舞で撮影された映画だったので、皆、画面に映し出される景色を懐かしんだという。
大岩さんが春日井梅鶯の資料の収集を始めたのは、20年ほど前から。それより遡り30年前に、県外の施設で市原市出身の直木賞作家・立野信之の本を見つけ、地元市原の公共施設にはなかったので、集めるようになった。同時に、市原市ゆかりの著名人の資料も集めているうちに、春日井梅鶯の存在を知り彼の資料も集め始めた。 更に現在も活躍中の「版画家の深沢幸雄さんや作家の遠山あきさんは、市原の宝だと思っている」と語る大岩さんは、初期の1960年代のもの限定で深沢さんの資料を集めてもいるという。
3月9日に展示替えをし、今、展示されているのは、初代と二代目春日井梅鶯に関する写真や新聞切り抜き記事、初代直筆の掛け軸、レコードやカセットテープ、初代が身に付けていた背広や袴、初代の梅鶯を師と仰いでいた三波春夫の直筆サイン等々。他に、鶴舞在住の写真家・鶴岡暉也さんが提供した昭和4年当時の鶴舞の街並みと商店街の地図も展示されている。
是非、ご家族で気軽に出かけてみては。鑑賞時間は郵便局の窓口が開いている月曜日から金曜日の9時から17時まで。
問合せ 市原鶴舞郵便局
TEL 0436・88・2001
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