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不登校・引きこもりの子どもたちと接して10年
- 2017/6/2
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成美学園学園長 酒井 秀光さん
近年、引きこもりの長期化や高齢化(40歳以上)が社会問題になっており、引きこもりの1割以上が小中高の不登校がきっかけだといわれている。内閣府「子ども若者白書」(平成25年)によると、15~39歳までの引きこもり総推計人数は69万人を超え、文部科学省が昨秋発表した小中学生に占める不登校の割合は、平成27年度に1.26%と調査以来、過去最多となった。
少子化と子どもを取り巻く環境の変化に対応した教育が求められている今、不登校や引きこもりの子ども、その父兄や関係者から注目を浴びている新しいスタイルの学校がある。
県内最大級の通信制サポート校と、小中学生対象のフリースクール、障がい者対象の就労自立支援センターを運営する成美学園グループだ。前身は30年ほど前に、酒井秀光さん(61)が地域音楽振興のため開設した成美音楽学院。酒井さんは音楽教育に力を注ぐ傍ら、夢をテーマに房総半島一周の旅「A列車で行こう!」、「ゆめジャズこんさーとinひめはるの里」を企画し成功を収めた。
そして2007年、時代の変化に即した教育もと、不登校経験者と発達障がい者のための通信制サポート校、成美学園を開校。2009年、千葉県教育委員会技能連携校に認定される。広域通信制・単位制高校 翔洋学園高等学校と連携しているので、3年間で高校卒業資格が取得できる。
現在、千葉県内に6校舎(茂原市・木更津市・成田市・千葉市・館山市・旭市)を開設。普通科・音楽科・個別指導科・社会人科・通信科があり、少人数を前提に学業からメンタル面までバックアップする。
今年で成美学園創立10周年を迎え、酒井学園長は「不登校でお困りの方の役に立ちたい」と、これまで自分が蓄積した教育のノウハウを伝授しようと、2月に著書『不登校にありがとう』を出版した。ウェブ通販サイト、アマゾンのカスタマーレビューでは酒井さんの著書を5つ星に評価した読者から「何冊か不登校の本を読んで試してみたが、うまくいかなかった。この本では不登校を否定するのではなく、不登校になったからこそ視野を広げることができ、問題を根本的に解決できると書いてあり、この本を読んでから子どもと良い関係が築け、学校に行きたいと言ってくれた。親子の関係性を見直すことができた」と感謝の言葉が投稿されてあった。
「いずれは障がいのある子どもたちが親が亡くなったあとも安心して暮らせるグループホームをつくるつもり。自分で働き自分で稼ぎ生きていく。そんな当たり前のことを障がいがあってもなくても、できるような社会づくりに貢献したい」と酒井学園長は将来の展望を熱く語る。
著書の出版を記念して、6校舎にて酒井学園長の講演会が開催される。各会場定員30人。質疑応答あり。入場無料。希望者は電話で予約を。
◆6月10日(土)13時30分~成美学園(茂原市町保37の3)
TEL 0120・25・4109
◆6月18日(日)13時30分~ちば中央学園(千葉市中央区今井2の10の2 第二山一ビル3階)
TEL 0120・669・664