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時を超え、着物が再び輝きを放つ
- 2018/6/1
- シティライフ掲載記事, 市原版

5月12、13日の2日間をかけて市原市更級にある夢ホールで開催された『布夢布夢作品展~布の世界に魅せられて』。同企画展は、市内6カ所の公民館で行われているサークル『布夢布夢』のメンバー60名の作品発表の場。会場に飾られた絣、大島紬、さき織、帯などで作られたワンピースやコート、つるし飾りや和の創作飾りの数々は色鮮やか。
サークル講師を務める小澤よし子さんは、「サークルは35年目を迎えることができました。布夢布夢は自分の夢を物に託し、相手に思いやりの気持ちをもちながら理解、尊重し、切磋琢磨しながらスキルアップしていきましょうという意味が込められています」と話し、満員の会場に笑顔を見せた。来場者は1300人に届くという大盛況。
最も盛り上がりを見せたのは13日14時から行われたファッションショーだ。19名のモデル達が、観客の前にセットされたグリーンカーペットの前を颯爽と歩く。ワンピースとバック、帽子をオレンジで揃えた可愛らしいセット。現代的カジュアルなリメイクに大成功したサロペットオールインワン。かつての武将、加藤清正と福島正則の大柄な絵が背中と胸に配置された斬新かつ勇ましい、柿渋で染めたコートなど多くの力作が勢ぞろいした。「ショーに出るなんて初めてで、とっても緊張しました!」と語るモデルがほとんどだったが、カーペット上ではそれを微塵も感じさせないほど堂々と余裕のあるウオーキングに驚くばかり。
さらに希少価値の高い筒描コートに仕立てた作品で、「筒描技法とは染色ののりの置き方の1つで、もち米を蒸して作った糊で文様を描き、藍で染めた物です」と紹介する司会者は、時に「このワンピースは体型がカバーできるので安心して着られます」など絶妙なアナウンスを挟み会場の笑いを誘った。
19人のモデルの内、17人は自身の制作した作品で登場。鮮やかなオレンジのチュニックを着た女性は、「リメイクする着物を買うのに、今、大市は人気。着物の素材を先生に見てもらい、勉強しながら自分で作る楽しさは格別!」と満足そうだった。
また小澤さんの制作した、花鳥風月の振袖と辻が花の振袖からの着物ドレスをまとい登場したのは、市内在住の女子大生と会社員。会場の盛り上がりは2人の可愛らしさで最高潮を迎えた。「今年成人式で着物をきたのですが、同じ素材でも形が違うだけで、全く違う楽しさがありました。ちょっといい所にお出かけする時に着たいですね」、「柄の可愛いものも多いんですよね。歳をとった時、自分も作れるようになったら楽しいかな。緊張しましたが、とても良い機会でした」と、2人も笑顔を見せた。リメイクの楽しさが充分に伝わった2日間となったことだろう。