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朗読で物語の世界を堪能
- 2018/8/24
- シティライフ掲載記事, 市原版

5月末、五井公民館で開催された講座『癒しの朗読』。同公民館のサークル『朗読の会山百合』メンバーが出演し、当日集まった70名を物語や詩の世界に引き込んだ。
最初は谷川俊太郎の詩『生きる』。一節ずつ交代で読む輪読で、はっきりと聞きやすい読み手の言葉と声は、あっという間に参加者を集中させた。小川未明の創作童話『赤いろうそくと人魚』は、登場人物・地文を担当で分ける朗読劇で。人魚の娘と人間の間に紡がれる、不思議で独特な哀感を描き出した。滝沢馬琴作の『南総里見八犬伝・八房と伏姫』は、物語を暗誦する語り。幾人もの登場人物を声で演じ分ける語り手に、参加者は臨場感ある幾つものシーンに聞き入っていた。
休憩後は、女流詩人・金子みすゞの世界。みすゞの作品を探し紹介した児童文学作家・矢崎節夫の解説と12編の詩を、ひとりずつ交代で読み上げた。室内を暗くし、スクリーンで詩を映し出す演出は、優しく深いみすゞの詩の世界をじっくり味わってもらうため。最後は会の講師で元フジテレビアナウンサー、山川さんの朗読で、動物写真家・星野道夫のエッセイ『旅をする木』より2編を紹介した。山川さんは、「昔から惹かれていた星野さんの作品。生きている、ということを朗読を通じ感じて頂けたら」と話し、自然を深く見つめて連綿と続く生命を想う作者の言葉を、穏やかながらも力強く読んだ。
他にも松谷みよ子の短編や向田邦子のエッセイ、齊藤隆介の物語なども朗読され、参加者は、「それぞれの情景が自然に浮かんで来た。知らない物語も良く分かって素晴らしい」「とても面白かった。語りの八犬伝は、凄く引き込まれて、続きも聞きたくなりました」と様々な本の世界を充分に楽しんだ。やまゆりの会では随時会員を募集中。興味ある方は五井公民館へ連絡を。
TEL 0436・22・2121