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季節のスケッチ
- 2018/12/30
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俳画と文 松下佳紀
大晦日、時計の針が零時を指す瞬間が去年と今年の分かれ目、去年今年と言う季語である。分かれ目と言ってもそこに何んの印も無い。時間は淡々と時を刻むだけ、あっという間に新年に流れ込み、二度と戻って来ない▼テレビでは紅白歌合戦がフィナーレを迎え、除夜の鐘が日本列島に鳴り渡る時間帯は、俳人に限らず誰もが深い感懐を抱くに違いない▼私はここで時間について素朴な思いを述べる。先ず時間は目に見えない。我々は時の流れとか時を刻むとか表現するが、誰もそれを見たことがない。時計は時間を視覚化する機械の傑作だが、それを時間とは言わない。人間は過去、現在、未来に続く空気のような時間の中で日々生きている。等々。