フロンティアスピリットで田舎暮らし
- 2014/5/16
- 外房版

長南町に住むトモ長谷川こと長谷川朋之さん(47)は銃器、ナイフなどを専門とする写真家でライター。競技射撃歴25年、各種の戦闘訓練を受けたエキスパートでもある。
銃のカッコ良さにはまったのは子どものころ。父親の膝で見た映画『シェーン』やジョン・ウェインの西部劇がきっかけ。スティーヴ・マックィーンやクリント・イーストウッドなどのアクション映画で育ち、高校生のころからエアソフトガンの競技に出るほど夢中になった。大学入学後、「本物に触れたい」と海外の射撃大会に出場。同じ時期に米国在住の日本人銃器写真家と出会い、写真家としての道も開いた。周囲からは「人殺しになりたいのか」と反対され、「自分でもなぜ惹かれるのかわからず、後ろめたさを感じ苦しんだ」。しかし、海外では理不尽なテロや暴力は日常。一般人も自分の身を守るために技術を磨く。「強くなければ、誰も守れない。男である限り逃げたくない」と結論を出し好きな道に進んだ。「技を磨けば心も強くなるのは日本の武道と同じ。自動車好きがF1レーサーを目指す感覚」。以来、毎年アメリカの射撃競技会に出場。大会最高峰NRAビアンキカップの最上位クラスで好成績を収めるうちに、米軍特殊部隊関係者から声をかけられ、15年ほど前から戦闘訓練の講習も頻繁に受けるようになった。その経験から日本の公務員向け各種訓練のインストラクターも務めている。愛用の銃はコルトガバメントタイプ。CGアニメーションの戦闘シーンの監修、アクターとして演技すること多数。街中で小競り合いがあれば当然見逃さないが「近づいただけで相手が退散してしまう。殺気を感じるのかな…」とおかしそうに首をかしげる。
学生時代から射撃演習のため、毎年3カ月から半年間カリフォルニア州マリポサに滞在してきた。ネイティブアメリカンの遺跡が点在し、ヨセミテの雪解け水が流れる広大な自然のなかで、火をおこし、獲物を食す開拓時代のような暮らし。「価値観が変わった」。10年前自然を求めて江戸時代に建てられた千葉の古民家に移住した。大学で学んだ建築の知識を生かし、朽ちそうな土台や梁を修復。撮影スタジオや機材置き場に作り変えた。部材はネットオークションで手に入れる。現在は鶏舎を製作中。「大地と共に生き、何でも自分の手で切り開く物語『大草原の小さな家』そのもの。体はメタボにみえるけど山仕事で鍛えられるから健康診断の数値は完璧」と笑う。近所の古老から「長男の仕事だから」と年神様を迎えるしめ縄作りを習ったり、集会に出て部落長を引き受けたりと頼りになる隣人として集落に溶け込む。捨て猫10匹と同居。長南町をこよなく愛し、妻子とともに町づくりボランティアでも活躍する。「これからは自然と共生する健康的な生活を広めたい」と話す心優しきガンマン。
問合せ 長谷川さん
bunkichido@gmail.com
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