中房総国際芸術祭 いちはらアート×ミックスまであと48日

 3月21日(金)(祝)から5月11日(日)までの52日間、開催される『中房総国際芸術祭いちはらアート×ミックス』。各会場を訪ね、制作に励むアーティストの皆さんを順次ご紹介。 
 まずは、小湊鉄道月崎駅前の駅員の詰所だった建物。取材日は、朝8時から美術家・木村崇人さんが木製パネルに苔を植え付け、建物壁面に取り付ける作業を進めていた。屋根にも敷き詰めるそう。最終的には山野草も植え込むという。片付けの済んだ建物内の天井には明かり取りの小窓も見える。
 木村さんは、「作品のテーマは『森ラジオ ステーション』。人と森をつなげる、どこでもドアみたいな場所にしたい。建物の中では森で採取した色々な音を流したり、虹をつくる仕掛けも。家の形をした森を。会期中は隔週でワークショップ等のイベントをやり、森遊びの体験をしてもらう。皆さんの期待を裏切らないよう精一杯やりたい」と語る。
 木村さんは、2006年、東京から南アルプスのふもと山梨県南巨摩郡早川町に拠点を移し、築150年の茅葺き古民家に暮らす。「地球と遊ぶ」をコンセプトに体験型の作品を制作している。『瀬戸内国際芸術祭』等、各地の芸術祭に参加、昨年は宮崎県立美術館で『木村崇人と宮崎で地球と遊ぶ』を開催した。
「今回は新作。試行錯誤してやっている。アドバイスや力を貸していただけたら。そして、一緒にやってよかったと思ってもらえたら嬉しい。昨日は市民の森の皆さんと、屋根にのせる山野草や腐葉土を取りに行った。どんどん多くの人に関わってもらい、人とのつながりを広げる場になれば」と話す。
 次は、旧月出小学校へ。過疎化で児童が減り、2007年に里見小学校へ統合され廃校となった。取材当日、作業をしていたのは、3名のアーティストと4名のサポーターの皆さん。校庭では、神奈川県大磯町でデザイン業とやきいも販売を手がける、チョウハシトオル(長橋徹)さんが、かまど作りを。「地元の土を使い、かまどづくりを。ご飯を炊くだけでなく、やきいもやピザを焼くかまどもつくり、雨でも大丈夫なように屋根もつくる。化石燃料に頼らず、薪や炭を使う。屋根に使う竹や石、瓦もいただき物。こうした地元の材料から生まれるやきいも。ご賞味あれ」と言い、「アート×ミックス終了後も、やきいもを通じて日本の食文化を学ぶワークショップを座学とサツマイモづくりでやりたい」とも。
 プールで作品展示をするのは、三重県津市から来た染色家・岡博美さん。
プールに2.7メートルの高さで布を二重に張り、透ける部分から光が差し込み、光の加減により見え方が変化する作品。岡さんは「初の試み。布には、水紋、植物、街の光などの残像が、光が入ることで見える仕掛けに。コンセプトは、すべてがつながっている。絶対ステキな空間にしたい」と話す。
 6年前、名古屋市から岐阜県に移住し、食と住をつなぐ『はさ掛けトラスト』を立ち上げ、農業にも携わるデザイナー・塩月洋生さんは、今回、環境に配慮した自然素材を使うエコロジカル建築をと、藁の塊・ブロックを壁材として使うストローベイルで、職員室に壁をつくる。「この会場では1階が食にまつわる工房、2階が作家のギャラリー、3階が染めとデザイン工房となる。廃校に作家が入ることで新たに生み出す場となる。是非、見に来てほしい」と塩月さん。

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