絵画と彫刻と詩のコラボレーション 市原市初『コノキ・ミクオ展』

 小湊鉄道牛久駅からほど近く、養老川を見下ろすように建つ『ギャルリ梦心房』。オーナーの新保紘子さんが作家の生き方や考え方に共感し、そして何よりも魅力的な作品であることにこだわり、約3カ月という長いスパンで展示。新保さんが入れるおいしいコーヒーとともに、ゆっくりと作品を味わうことができると人気のギャラリーだ。
 4月29日から6月8日までは、匝瑳市の松山庭園美術館の館主であり、平面から立体、そのうえ詩人として幅広い芸術活動を展開している此木三紅大さんの『何だ?ガンダ コノキ・ミクオ展』を開催中。
 市原市での個展は初めてという此木さん。今回の個展に先立ち新保さんからは、「新しいものから古いものまで、作風の異なったものをお願いした」そうで、ギャラリーには、油絵から鉄くずから生まれたガンダ彫刻、そして詩と幅広く展示されている。クスッと笑ってしまうような、ユニークな彫刻。愛ネコとともに描かれた詩。そのひとつひとつから此木さんの愛情と優しさが溢れている。
 オープン初日には、新保さんと此木さんの奥様の紀子さんによる詩集朗読会とギャラリートークが行われた。日常のちょっとした出来事も、此木さんの目を通して描かれると、ほのぼのとした気持ちになり、そういうことあるあるとヘンに納得してしまうから不思議。前半・後半にわけて行われた朗読会だが、前半は30年ほど前に出版しベストセラーになった詩集から。後半は東日本大震災以降に描いたものだという。
「30年ほど前に詩集を出して以来、詩はやめようと書いていませんでした。そうでないと絵描きではなくなってしまうように思ったからです。でも、震災があり、私は小学校5年まで福島に住んでいたので、何かもんもんとしていたとき、スケッチブックの端に詩を書いてみたのです。すると気分がよくなって、さらに情熱を持って書くようになりました。詩のいたずら書きのようなものですが、皆さんに見てもらえたらうれしいです」と此木さん。奥様の紀子さんも、「木目の壁と作品が意外に調和していて驚きました。詩と絵画、彫刻を合わせて味わってほしいですね」と話していた。

問合せ ギャルリ梦心房(金・土・日・祝11~17時オープン)
TEL 0436・92・1784

関連記事

今週の地域情報紙シティライフ

今週のシティライフ掲載記事

  1. ◆一席 風化するそれを待つ人させぬ人  千葉市 瓦井宗龍 ・順風に慣れすぎ詐欺に騙される  大網白里市 …
  2.  今回は「映画音楽」特集の第1回。良い映画では必ず、音楽・主題歌が感動を与えてくれます。テレビCMでも使われる名曲もあり、何処かで聞いたこと…
  3.  9月11日(水)、香川県高松市の県民ホールで行われた『第59回全国神社総代会大会』にて、市原市姉崎在住の加藤庄司さんが、神社功労者表彰を受…
  4.  3つの窓が並ぶカウンターはケヤキの一枚板。絵本コーナーは小上がりになっていて、壁際の本棚の横には籐の椅子。マンガが並ぶ2階の屋根裏へは細長…
  5. 【写真】布施知子《二重折りのヘリックス》2018  市原市不入の市原湖畔美術館にて、企画展『かみがつくる宇宙―ミクロとマク…
  6. 【写真】「手作りの電飾」木村順一  恒例の市原市写真連盟展が11/1(金)~6(水)、夢ホール(市原市更級・スポーツデポ市…
  7.  銚子市は、漁業と醤油の街として有名ですが、2012年に銚子市全域が日本ジオパーク委員会から「銚子ジオパーク」として認定されました。ジオパー…
  8. 【写真】真光寺仏殿(左)。右側は薬師堂が建つ前、本尊を安置していた書院  市原市との市境にある緑豊かな里山、袖ケ浦市川原井…
  9. シティライフ編集室では、公式Instagramを開設しています。 千葉県内、市原、茂原、東金、長生、夷隅等、中房総エリアを中心に長年地域に…

ピックアップ記事

  1.  3つの窓が並ぶカウンターはケヤキの一枚板。絵本コーナーは小上がりになっていて、壁際の本棚の横には籐の椅子。マンガが並ぶ2階の屋根裏へは細長…

スタッフブログ

ページ上部へ戻る