最年少の乗馬上級インストラクター
- 2014/6/6
- 市原版
緑の山々に囲まれた広大なファーム。艶やかで美しい毛並みのサラブレッド『アビエイション』を操るのは長谷川誠さん(33)だ。常歩(なみあし)から始め、速歩(はやあし)、駈歩(かけあし)、左右に旋回、斜め走行や足踏み。馬場馬術競技では、これらの馬の動きの正確さと美しさを競う。何気なく見えるが、鞍からお尻を浮かすことなく手綱と脚(きゃく)、体重のバランスで馬に合図を送るのは生易しいことではない。
「力いっぱい駆ける方が馬にとっては楽。足踏みや歩幅を合わせるなど不自然な動作をいかに我慢して騎手の合図に従えるかが勝負のカギとなります」と長谷川さん。父親が経営する長谷川ライディングファーム(市内山口)でインストラクターを務める。合格者が年間2、3人という全国乗馬倶楽部振興協会認定上級指導者資格を2年前に取得。日本では最年少だ。
他のスポーツと違い、年齢や性別による筋力差の影響は受けない。長年培った感覚と経験値がものをいうスポーツ。「人半分、馬半分。双方のコンディションが整わないと良い結果は出ない。そこが難しいところでもあり、面白いところでもあります。調子が出ない時は、お互いに助け合う。普段から乗り馴れた馬との練習が生きてきます」
馬との出会いは3歳の時。家族で楽しめるスポーツをと両親が乗馬を始めたのがきっかけ。小学3年生で乗馬を始め、高校時代には国体の馬場馬術と障害馬術千葉県代表に選ばれた。以降、数々の著名な指導者から教えを受けながら、JRA騎手、高嶋活士(かつじ)さんの競馬学校受験を指導、合格に導くなど指導者としても活躍。5年前からは、馬事公苑での50年の調教実績と軽乗を日本に広めたことで有名な山谷吉輝(やまやよしてる)さんに師事。技術、指導力の更なる向上に励んでいる。競走馬である大きなサラブレッドで軽乗する技術は相当なもので、山谷さんから軽乗馬場馬術上級師範の認定も受けている。
「うまくいかないことの方が多いですよ。お互いの気持ちが一致しないと馬もイライラします。そういった時は冷静に対応するように心がけています」また、「こちらの意思が馬や生徒にうまく伝わって、いいパフォーマンスを共有できた時は本当に嬉しいですね」とさわやかな笑顔で話す。
生徒を競技大会で上位に入賞させることと同ファームで生まれた子馬を技術の高い馬に育て上げることが現在の目標だ。「乗馬は子どもからお年寄りまで楽しめるスポーツ。一度体験しみて下さい」とのこと。
問合せ 長谷川ライディングファーム
TEL 0436・50・9550
http://www.hrf.co.jp