関東屈指のパワースポット~上総國一之宮 玉前神社~【一宮町】

 今やサーファーの聖地となった長生郡一宮町には、上総国一ノ宮の『玉前神社』(たまさきじんじゃ)が長い歴史と共に鎮座する。ご祭神は神武天皇の母・玉依姫命(たまよりひめのみこと)で、波に乗って九十九里浜に上陸したという伝説が残っている。出雲大社、元伊勢・籠神社(このじんじゃ)、富士山山頂といった日本の名だたる聖地が一直線上に並ぶ『ご来光の道(レイライン)』の東の起点であることから、関東屈指のパワースポットとして多くの参拝客が訪れる。

開運スポットがたくさん

 玉前神社は戦国期の永禄年間(1558~1570)の戦火により社殿・宝物・文書の多くを焼失したため創建年代は不明だが、他の文献により少なくとも1200年以上の歴史があるとされる。貞亨4年(1687)の造営と伝えられる社殿は、平成29年(2017)3月に『平成の大修理』が竣工し、黒漆塗りの姿で厳かに佇む。社殿の建築様式は大唐破風・流れ入母屋権現造りで、県指定文化財に指定されている。女性を守護する神社として縁結びや安産などにご利益があり、源頼朝の妻・北条政子が懐妊の際、安産祈願をしたことで知られる。頼朝に助力した上総国の豪族・上総広常(平廣常)ともゆかりが深い。広常は、源頼朝の宿願成就と東国安泰を祈願して書状と鎧を玉前神社に奉納したが、これも戦国期の戦火で失われた。授与所近くの『平廣常顕彰碑』には広常の祈願文が記され、毎年春分の日には『平廣常公慰霊祭』がとり行われる。

珠琴泉

 玉前神社の境内には開運スポットが点在する。表参道から一の鳥居をくぐると、二の鳥居の右手に『ご神水』がある。容器持参で持ち帰りは自由で、授与所にはお水取り用の空のペットボトルが1本100円で用意されている。ご神水の隣には、『珠琴泉(しゅきんせん)』と名付けられた水琴窟。中央の平らな『縁結石』に腰かけ耳を澄ますと、地中に埋められた瓶(かめ)に滴り落ちる水の音が心地よく響いている。二の鳥居の先の階段を上がり、手水舎の右手奥には、『子宝・子授けいちょう』が3本並ぶ。雄株と雌株の真ん中に実生の子どもイチョウが育っていて、雄株、雌株、子どもの順に両手で触れて子宝を願うと良いとされている。その反対側には『さざれ石』がどっしりと構えている。さざれ石とは無数の小さな石が集まり、大きな石の塊に変化した岩のことで、神々の宿る石として古くから信仰の対象となってきた。

子宝・子授けいちょう

『波乗守』が人気 

 拝殿左手の奥には『はだしの道』があり、大木の植え込みを囲む白い玉砂利の道を裸足で時計回りに3周すると開運するといわれている。これが結構痛いもので途中でリタイアする人も多いのだが、3周回りきると足つぼの効果も相まって心も体もすっきりするのだとか。3世代で訪れていた家族連れは、声を上げながらゆっくりと歩いていた。「はだしの道は前から知っていたので、今日はぜひ歩きたいと思って来ました。ものすごく痛かったですが、全員なんとか3周できました」と笑顔で話した。

はだしの道

 お守りの一番人気は『波乗守』。サーファーの安全のみに留まらず、人生の荒波にも耐え開運の波に乗れるお守りで、初穂料1100円のうち100円は九十九里海岸の環境保全活動に寄付される。女性に人気なのは『月日守』で、女性の生活リズムを正し体と心の健康にご利益がある。ほかにもさまざまなお札やお守りなどを授与所で授かることができる。おみくじは『良縁引きよせ糸みくじ』『とんぼ玉みくじ』『華の筒みくじ』などカラフルで種類が豊富。埼玉から御朱印を求めて参拝したという男性は「11月の月替わりの御朱印は菊の図柄がきれいでよかったです」と満足気に話した。

波乗守

 年末は12月中旬より境内に茅の輪が設置され、『茅の輪くぐり』で厄除け・家内安全を願うことができる。大晦日の15時からは『年越大祓(おおはらい)』、元日午前0時には『上総神楽』が奉納される。新年は毎年多くの初詣客でにぎわい、参拝の長蛇の列は表参道から国道まで伸びるほど。参道にはたくさんの屋台が軒を連ねる。御朱印は元日から15日までの予定で、干支にちなんだ正月限定のものが授与される。詳しくは問合せを。

 

月日守

問合せ:上総國一之宮 玉前神社

長生郡一宮町一宮3048

Tel.0475・42・2711

HP:http://www.tamasaki.org

・年中無休・拝観自由・駐車場無料

・祈祷受付9時~15時半、授与所8時~17時

 

●『お好きに川柳』 シティライフ掲載中の読者投稿『お好きに川柳』は玉前神社提供。月1回・連載250回を数える人気のコーナーで、常連の方に加え、毎回初投稿の方もいて、「次回のお題は何?」と問合せのが来ることもあります。次回のお題は「祝」。皆さまの作品を募集中です!

 

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