大人も子どもも、一緒に遊ぼう

 近年、子どもたちが野外でのびのびと遊べる場、プレーパークが広がりつつある。市内青柳の私有地で3カ月に1度開かれる『もぐらの冒険~あそび場・つどい場~』は子どものみならず、大人にも門戸を開いている。
 3月末、3日間の連続開催には述べ395名の親子が訪れた。山積みになった端材のそばで木工作を楽しむ子、ダンボールで作った家で遊ぶ子、菜の花に囲まれた泥遊び場で水路を作る子、それぞれが好きなことをして遊ぶ。土の上に撒かれた籾殻の感触を裸足で楽しむ幼児の姿も。大人1人でふらっとやって来ておしゃべりするのもよし、子どもと一緒に遊びに夢中になるのもよし。3月28日には、大人が気軽におしゃべりできる場『いどこみ!』を一時的に設け、大人同士のコミュニケーションを促した。
 同イベントの主催はボランティア団体『もぐらの冒険』。「遊ぶことは生きること!」をモットーに2014年8月から活動している。スタッフの小倉絵理さんは「子育ては楽しいが、我が子と1対1では煮詰まってしまうことも多い。世代を超えて地域の大人がつながることにより、みんなで子育てしていけたら心に余裕もできるはず」と話す。スタッフは小倉さんの家族や知人など、大学時代や職場で子どもと関わる経験をしてきた20~30代の5名。「がーり」、「もなか」などユニークなあだ名で呼び合っているのは「スタッフは特別な偉い人などではなく、共にいて、共に感じ合う存在でありたい」という思いから。
 ドラム缶をくり抜いて作ったかまどがあり、持参したフランクフルトやおにぎり、マシュマロを焼いたりと昼食、おやつも思い思いに楽しむことができる。前回の11月開催時には、一角にある畑で収穫したサツマイモで焼き芋を作った。手ぶらで訪れても楽しめるが、工作に使う材料や焼いて食べたいものなど自分で使うものを持参する参加者が増えてきた。家で眠っているものを差し入れする人も。木工作用の大量の端材は近所の材木店からの寄付。ノコギリやブルーシートなどの道具は市原ロータリークラブからの助成金で購入している。「公園などでは、親が安全を確保しなきゃという気持ちから遊びに限界を設けてしまう。ここでは、無限の可能性に挑戦しながら自分が主体となって遊び、快適な場所を自分自身で作っていってほしい」と小倉さん。「解放された時間だったわ~といった言葉を耳にすると嬉しいですね」と笑顔で話す。2回目の来場だという4歳の男児の母親は「泥遊びが大好きで。周りも同じように汚れていると気にならなくていいですね」と苦笑い。
 基本概念は「大人も子どもも、人は人と共に育ち、育て合う」。今後は「青柳地区で行われている夏祭りなど、地域のイベントに関わり、一緒に盛り上がっていきたい」とのこと。次回の開催は5月16日(土)。

問合せ 小倉さん
E-mail mogura.bouken@gmail.com

関連記事

今週の地域情報紙シティライフ


今週のシティライフ掲載記事

  1.  市原市姉崎小学校を拠点に活動している剣道『錬心舘市原道場』。設立は1987年と長い歴史を持ち、小中学生を中心にこれまで数多くの卒業生を育て…
  2. 【写真】本須賀海岸(当写真は特別な許可を得て撮影しています)  マリンアクティビティのイメージが強い九十九里エリア。成田国…
  3.  マザー牧場(富津市)では、2~3月が羊の出産シーズン。今年は約20頭が出産。第1号は2月22日に生まれた品種「サファーク」の女の子。黒い顔…
  4.  鉄道写真愛好家の皆さんへお知らせです。今年6月6日(木)~6月11日(火)に開催予定の『小湊鐵道を撮る仲間たち展』に写真を出展いただける方…
  5.  新芽が出始めた春の里山を散策してみた。葉の色や形、大きさなど種類の多さが感じられる。葉の多様性といったところか。  そんな中で高い木の枝…
  6. 【写真】チバニアンガイドの皆さん  2020年1月、市原市田淵の地磁気逆転層を含む地層『千葉セクション』がGSSP(地質年…
  7.  前回、近い将来起こるであろう世界的な食糧問題について書きましたが、多くの学者は、私達が生き延びるには人間が何万年と育んできた古来からの農法…
  8. 【写真】『音楽堂in市原《私の十八番》ガラコンサート』にて。ヴァィオリン・川井郁子さん、ピアノ・熊本マリさん  市原市市制…
  9. シティライフ編集室では、公式Instagramを開設しています。 千葉県内、市原、茂原、東金、長生、夷隅等、中房総エリアを中心に長年地域に…

ピックアップ記事

  1.  市原市姉崎小学校を拠点に活動している剣道『錬心舘市原道場』。設立は1987年と長い歴史を持ち、小中学生を中心にこれまで数多くの卒業生を育て…

スタッフブログ

ページ上部へ戻る