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土地に息づく鉄道と人の歴史をアートに 高滝駅から美術館までウオーキング~市原湖畔美術館~【市原市】

【写真】眼下に線路、遠くに高滝ダム水門をのぞむ風景とパネル

 市原市不入の市原湖畔美術館にて、小湊鉄道開業100周年記念展『古往今来・発車オーライ!』が9/15(月・祝)まで開催されている。小湊鉄道に様々な角度から光を当てた現代アーティスト4人の新作展示と、絵本作家かこさとし原画展、小湊鐵道の100年の歩みを振り返る資料展示が行われている。出展アーティストの1人、中﨑透の作品は『Riverside Train,Lakeside Museum』。小湊鐵道社員や地域住民へのインタビューを文字に表し、鉄道会社で以前使われていた道具や、油彩画などと織り交ぜたインスタレーションを展開している。小湊鐵道株式会社社長の石川晋平さんは、「風光明媚な地の市原湖畔美術館で記念展を開催していただけることは大変光栄です。中﨑さんとはいろいろな話をして、時間をかけて取材していただきました」と話す。その『Riverside Train,Lakeside Museum』の番外編である『Another Story』では、美術館を飛び出し、最寄り駅の小湊鐵道高滝駅から美術館までの1.6㎞の道のりに16枚のエピソードパネルを展示した。中﨑さんは、「コースは駅からでも美術館からでも自由に歩いて」と説明している。

中﨑透さん(左)と小湊鐵道・石川晋平社長

 5月18日、このコースを巡るウオーキングツアーが開催され、10名が参加した。スタートの高滝駅には、同じく出展アーティストの青山悟が工業用ミシンで手掛けた『FOREVER KOMINATO RAILWAY ジャケット』が展示されている。こちらも見逃せないところ。ツアーは美術館スタッフの三浦万奈さんが先導し、駅舎にある1番のパネルから順に読みながら歩いていく。「中﨑さんは、エピソードと場所に関連性を持たせて展示しています。どうぞ景色も楽しんでください」と説明する。線路沿いを進み、踏切を渡り、坂を少し上がったところにもパネルが1枚。眼下に線路が走り、遠くには高滝ダムの水門を望むスポットだ。新緑の薫る中、高瀧神社境内を抜け、湖にかかる橋を渡る。ボート乗り場をぐるっと回り美術館へ。それぞれのパネルには、駅舎や鉄道のこと、地域の人々の就職や結婚など小湊鉄道と切り離すことのできない人生の一片がちりばめられている。歩きながら、参加者同士の談笑にも花が咲いた。

高滝駅にて、参加者の皆さん(写真・左)

高滝駅で展示されている青山悟『FOREVERKOMINATO RAILWAY ジャケット』

 船橋から参加した夫妻は、「ここの土地のみなさんの愛情がそれぞれのエピソードに反映されていました。今日は小湊鐡道も初めてで、トロッコ列車に乗ってきましたが、沿線で手を振ってくれる人が沢山いたり、車掌さんがアナウンスで盛り上げてくださったり、それと重なることも多く、両方合わせてとても楽しかったです」と、笑顔を見せた。三浦さんは、「参加者のみなさんにも、中﨑さんの言葉にあるこの土地の『原風景のかけら』を集めてもらえたと思います。館内の作品と合わせてお楽しみいただけたらうれしいです」と話した。コースマップは、高滝駅と美術館の両方で入手可能。展示会の詳細については問合せか、HPの参照を。
        
問合せ:市原湖畔美術館
Tel.0436・98・1525
・開館:平日10時~17時、土・祝前日9時半~19時、日・祝9時半~18時 最終入館は閉館30分前まで
・休館:月曜(祝日の場合は翌平日) 
・料金:一般1000円、大高生・65歳以上800円、 中学生以下・障がい者手帳をお持ちの方とその介添者(1名)無料
・展覧会HP:https://lsm-ichihara.jp/exhibition/kominato/
・小湊鐵道HP:https://www.kominato.co.jp/

パネルを見る参加者