1. HOME
  2. シティライフ
  3. 小湊鉄道開業100周年記念展『古往今来・発車オーライ!』~9/15(月・祝)まで開催 市原湖畔美術館~【市原市】

CITYLIFE

地域情報紙シティライフ

小湊鉄道開業100周年記念展『古往今来・発車オーライ!』~9/15(月・祝)まで開催 市原湖畔美術館~【市原市】

【写真】小湊鐵道開業当時のSLと職員(提供:小湊鐵道株式会社)

 市原市不入の市原湖畔美術館にて、小湊鉄道開業100周年記念展『古往今来・発車オーライ!』が9/15(月・祝)まで開催されている。小湊鉄道は、地元有志数名が「近くの人を喜ばせたい!」との一心で創立し、1000名を超える沿線の人々の出資を得て、1925年(大正14)3月7日に開業した。同展では、地域の住民や鉄道ファンから愛されてきた小湊鐵道の歴史や魅力を、アートによって照らし出す。現代アーティスト4人による新作の展示、絵本作家かこさとし原画展、鉄道ファン垂涎の多彩なイベントなど盛り沢山だ。

現代アートからのぞく小湊鉄道

 同展の『見所その1』は、小湊鉄道の古往今来に光を当てた現代アーティスト4人による新作展示だ。言葉とイメージの『ズレ』をテーマにしたユニークな作品で知られる中﨑透は、高滝駅から美術館までの道のりに、小湊鐵道社員や地域住民へのインタビューを文字に表したエピソードパネルを設置した。鑑賞者は高滝駅を出発点にエピソードパネルを鑑賞しながら美術館へ、そして美術館の中へと導かれていく。鉄道と交差するそれぞれの人の人生が作品の中で展開される。5/18(日)、31(土)には、高滝駅から美術館までの徒歩20分のコースを美術館スタッフと巡るツアーが開催される。
 青山悟は、近代化以降、変容し続ける人間性や労働の価値を問い続けながら、工業用ミシンで描く刺繍を表現手段に幅広いアート作品を発表してきた。今回は小湊鐵道100年の歴史に刻まれた『労働』をテーマとして、刺繍作品を展示する。また、子どもたちがフェルトで作ったパーツを組み合わせ、1つの大きなパッチワーク作品『未来の小湊鐵道鳥瞰図』を制作。ずっと残っていて欲しいお気に入りの文具店、「パン屋になりたい」という子どもが将来開業する自分の店、近未来風の建物など、子どもたちの未来への希望を込めた町の風景がカラフルな作品として出来上がった。
 クワクボリョウタは、光と影が浮かび上がらせる影絵によって、観る人自身が内面で体験を紡ぎ出すような作品づくりを行う。小湊鉄道の100年前、現在、そして100年後の風景を現出し、無限(∞)のレールを走る時空を超えた旅をアナログ的な手法で映し出す。中野裕介/パラモデルは、房総を舞台とした『南総里見八犬伝』をモチーフに、小湊鐵道幻の路線計画や高滝エリアの旧開発構想などと虚実の出来事を組み合わせ、プラレールを用いた大規模なインスタレーションを展開する。

小湊鐵道沿線の鳥瞰図(提供:小湊鐵道株式会社)

小湊鐵道あれもこれも

『見所その2』は、日本を代表する絵本作家・かこさとしの絵本『小湊鐵道沿線の旅 出発進行!里山トロッコ列車』(偕成社)の原画展だ。「里山の風景を守る」「自然との共存」という小湊鐵道の理念に共感したかこさんが描いた、里山トロッコ列車の絵本原画約20点を公開。工学博士でもあったかこさんが小湊鐵道の歴史や地理、自然について紹介している。
『見所その3』は、小湊鐵道大解剖!過去と現在をつなぐ資料展示。小湊鉄道の備品や歴史的資料、鉄道写真から映像まで、貴重な資料を一挙に公開する。小湊鉄道のファンにも初めて知る人にも興味を引く内容だ。
『見所その4』は、鉄道ファンにも魅力的な多彩なイベント。5/17(土)の『小湊鐵道井戸端会議』では、美術館内で展示観覧後に、隣接レストランで房総半島の食材をふんだんに使ったイタリアンを食べながら、小湊鐵道社員と『小湊鐵道のこれからの100年』を考える。6/7(土)の『レクチャー「なぜ小湊鉄道なのか?」』では、鉄道に造詣の深い政治学者・原武史が小湊鉄道と房総の歴史をテーマに語る。小湊鐵道株式会社主催のイベントとしては、五井機関庫の特別見学会や、今では珍しい気動車の運転体験が予定されている。こちらは小湊鉄道開業100周年記念特設サイトでご確認を。
美術館広報の松崎遥香さんは、「地域の宝として大事にされてきた小湊鐵道の歴史を振り返り、未来につながるよう願いを込めています。里山を走る鉄道の魅力や地域の方々の思いを、アートに込めて伝えたい。ぜひ小湊鉄道に乗ってお越しください」と話す。詳しくは、HPか問合せを。

かこさとし《里山トロッコ列車と四季の風景》「小湊鐵道沿線の旅 出発進行!里山トロッコ列車」2016年(提供:小湊鐵道株式会社)

問合せ:市原湖畔美術館 
Tel.0436・98・1525

開館:平日10時~17時、土・祝前日9時半~19時、日・祝9時半~18時 最終入館:閉館30分前まで 
休館:月曜(祝日の場合は翌平日) 
料金:一般1000円、大高生・65歳以上800円、中学生以下・障がい者手帳をお持ちの方とその介添者(1名)無料

◆『小湊鐵道井戸端会議』
5/17(土) 18時~20時
会場:同館・PIZZERIA BOSSO市原店
ゲスト・講師:伊藤桃(鉄旅タレント)、石川晋平(小湊鐵道代表取締役社長)、小湊鐵道社員
定員:25名、参加費:6000円(入館料込)

◆『レクチャー「なぜ小湊鉄道なのか?」』
6/7(土) 13時~14時半
会場:同館多目的ホール
講師:原武史 定員:30名
参加費:1000円(入館料別)

◆『高滝駅発~美術館着ウオーキングツアー』
5/18(日)、31(土) 12時~13時
高滝駅集合、各回10名、参加無料

・展覧会HP
https://lsm-ichihara.jp/exhibition/kominato/

・小湊鐵道HP
https://www.kominato.co.jp/