CITYLIFE 地域情報紙シティライフ ふるさとビジター館 自然探訪~魚を狩るタカ・ミサゴ~ 2025.11.27 ミサゴは「魚鷹(うおたか)」という別名を持つ、魚を狩るワシタカの仲間である。全長60センチ前後。翼を広げると150センチを超える大型の野鳥である。海岸、河口、河川、湖など水辺で見られる。 顔は白く、眼を通って首に達する太い黒褐色の線があり、後頭部に小さな冠羽がある。背中と翼の上面は黒褐色だが腹部と翼の下面は白色なので、飛翔時に下から見上げると茶褐色のトビと区別できる。 ミサゴの英語名は「オスプレイ」、あのアメリカ製の垂直離着陸軍用機の名前だ。ミサゴは水面の上空を旋回して獲物を探し、獲物を見つけるとホバリングして狙いを定め急降下する。水中には飛び込まず水面付近で獲物を両足でしっかり捕らえ、素早く上昇する。 あの軍用機もヘリコプターと飛行機の機能を持ち、ミサゴのように飛行できるため、名前の由来になったと言われている。一時期、陸上自衛隊の木更津駐屯地に暫定配備されていて(2025年8月に佐賀駐屯地に移駐)、基地に近い小櫃(おびつ)川河口から広がる盤州(ばんず)干潟を歩くと、ミサゴと軍用機の飛行を同時に見ることもあった。 ミサゴは鋭く長い爪を持ち、足の裏側には魚を捕らえるための鉤爪(かぎづめ)状の棘(とげ)を持っている。魚体にしっかり食い込み「鷲掴み」を可能とする。しかしながら運ぶには重すぎる魚を捕らえてしまった時には、魚に食い込んだ爪がミサゴの意思に反して、抜こうにも抜けず海の中に引きずり込まれ水死してしまう。漁師が捕らえた魚の背中にミサゴの爪が刺さったまま残っていたという話もある。 房総半島では、冬になると北方からの移動組も加わり、個体数が増える。捕らえた魚を運んでいる姿に出会えるかもしれない。 (ナチュラリストネット/岡嘉弘) ◇ナチュラリストネット/自然を愛する仲間の集まりです。豊かな自然環境をいつまでも永く残したいと活動しています。 魚を捕まえ飛ぶミサゴ