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御宿に早春の華やぎ~第19回おんじゅく まちかど つるし雛めぐり~【御宿町】

【写真】昨年の月の沙漠記念館

 御宿町にて『第19回おんじゅくまちかどつるし雛めぐり』が3月3日(月)まで開催されている。子どもたちが健やかに育つよう、訪れる人々が元気になるようにと、ひと針ひと針に願いが込められたつるし雛が御宿の町を華やかに彩る。展示されるのは『月の沙漠記念館』『手づくりの蔵』のメイン会場と町内29店舗。ほとんどがJR御宿駅から1.5km圏内で、無料駐車場も完備されている。つるし飾りのモチーフは、今年の干支のヘビ、縁起物のエビやタイに、サクラやフクロウなどと数えきれないほど。ひとつひとつの愛らしい表情と、会場全体で魅せる絢爛たる作品が来場者の笑顔を誘っている。

ひと針に心を込めて

 御宿町でつるし雛のイベントを始めるきっかけとなったのは、2006年2月の御宿町商工会女性部の研修旅行。つるし雛発祥の地とされる伊豆稲取の『雛のつるし飾りまつり』を訪れ、宿泊先のつるし雛制作体験で、つるし飾りの基本の1つ『桃の実』の作り方を習った。閑散期の集客イベントを考えていたメンバーたちは、「これなら作れる。やってみよう」と早速つるし雛作りを始め、1年後の2007年には約3000点の飾りで、第1回つるし雛めぐりを開催した。当時からのメンバーの柳弘子さんは、「研修旅行の後、1年間毎日のように桃の実を作りました。2年目からは本を参考に、花、サル、ツルなど20種類を作り、毎回種類と数を増やしていきました」と話す。
 イベントの準備は毎回1年がかりだ。その年のテーマに合わせ生地のちりめんを用意。多くの寄付された着物も活用する。生地の裁断は、着物をほどいて洗い、アイロンをかけ、芯地を張り付けてから。柄の配置にも気を遣う。生地を中表にして縫い合わせたあと表に返すが、ヘビやウサギの耳のように細長いものは一苦労で、非常に繊細な手仕事だ。商工会女性部ではそれぞれができる作業を分担して取り組んでいる。イベント実行委員会委員長で、商工会女性部部長の大野和美さんは、「部員たちは仕事の合間や夜遅くに、心を込めて作っています。高齢化などで作り手の減少が課題のひとつで、昨年から部内で月に一度の講習会を開いています」と説明する。女性部では今後、一般希望者の講習への参加も考えている。着物の寄付は随時受け付けている。

おんじゅくブルーの作品例

 

おんじゅくブルーがお出迎え

 メイン会場『月の沙漠記念館』の今年のテーマは『昇華~おんじゅくブルー~』。商工会女性部が御宿の海の青を象徴したおんじゅくブルーを多用して、会場に幻想的な空間を浮かび上がらせる。大野さんは、「全国につるし雛はたくさんありますが、御宿ならではのブルーはどこにもない。毎年趣向を凝らしていますが、今年はさらに今まで見たことのないつるし雛をお目にかけます」と意気込む。同館館長の久野一郎さんは、「圧倒的な数と出来栄えの良さ。外房御宿に春を告げる大きなイベントです。ぜひ楽しみにお越しください」と話している。その他館内には、町内の小学生や御宿町介護予防教室『鶴亀クラブ』の作品も飾られる。
 もう1つのメイン会場『手づくりの蔵』のテーマは『上巳(じょうし)のまつりワッショイ!!』。つるし雛と併せ、ちりめん細工で、にぎやかな祭りや海上花火など心にしみる日本の風景を作り上げている。手掛けたのは、町内岩和田地区の女性のグループ『手づくり屋』で、10名のメンバーが地域の活性化を目的に活動している。同代表で、実行委員会副委員長の木原恵美さんは、「花に囲まれたお雛様にほっこり、神輿に若い衆が乗っているまつりで気分を上げて、花火にうっとりして、みなさんに明るい気持ちになっていただけたらうれしいです」と笑顔で語る。
 商店が会場となる29の店舗のうち、11店舗が参加する『100円商店めぐり&スタンプラリー』では、100円くじなどが楽しめる。5店舗でスタンプを集めると、御宿のご当地キャラクター『エビアミーゴ』のクリアファイルをプレゼント。アンケート記入で、エビアミーゴのバスタオルか、つるし雛が当たるダブルチャンスもある。20店舗でトイレの使用が可能。そのほか休憩用のベンチやつるし雛の販売のある店舗も。『御宿町商店振興会』代表理事の内山卓さんは、「買い物を楽しみながら、町内をめぐっていただきたい」。
 期間中の土日・祝日には御宿と、『かつうらビッグひな祭り』開催の勝浦との間にシャトルバスを運行(片道約20分)。バス発着所は、御宿町営駐車場と勝浦市墨名市営駐車場。月の沙漠記念館前広場にはキッチンカーが集合する。「毎年楽しみに来ていると声掛けしてくださる方がたくさんいらっしゃいます。お客さんがワ―と歓声を上げて喜んでくださるのが何よりもうれしい。私たちの思いのこもった作品をぜひご覧になってください」と大野さん。詳しくは、各会場で配布される展示会場マップ、SNS、または問合せを。

問合せ:御宿町商工会 Tel.0470・68・2818
・会場はいずれも入場無料
・メイン会場開館時間:月の沙漠記念館:9時~16時半、手づくりの蔵:10時~16時
・参加店舗の開店時間・店休日はそれぞれ異なるのでご注意を。
https://onjuku.or.jp/tsurushibina/

手づくりの蔵の展示作品