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身体にやさしいパワーフード、無添加のピーナッツバター~HAPPY NUTS DAY~【山武市】

【写真】ファクトリーの店舗に並ぶピーナッツバター。ガラス越しには工場部分が見える

 『株式会社HAPPY NUTS DAY』は、千葉県産の上質な落花生で、製法にこだわった無添加のピーナッツバターを製造・販売している。2013年7月に九十九里町で創業し、今年12周年を迎えた。2023年には山武市の廃校となった旧蓮沼幼稚園をリノベーションして自社工場と店舗をオープン。社外の料理家や生産者らとのコラボレーションで商品開発にも余念がない。社会貢献や環境問題にも注力し、今年からアメリカへの海外進出も展開中だ。

際立つ落花生本来の味

 HAPPY NUTS DAYのはじまりは、同社代表の中野剛(ごう)さんが、たまたま農家から売り物にならない落花生を分けてもらい、スケートボードの仲間とすり鉢を使ってピーナッツバターを初めて作ったことから。そこで中野さんは、その美味しさに魅了される。道の駅で販売したところ、「スケーターが作るピーナッツバターがやけに美味しい」と評判になり、ブランドを立ち上げるまでに至った。
 言わずと知れた千葉県特産の落花生。県内では明治9年に山武市で初めて栽培され、今や国内産の約8割が千葉県産だ。その『千葉県産落花生発祥の地』で同社が作るピーナッツバターの材料は、千葉県産落花生、てん菜糖、九十九里の海塩と、いたってシンプル。工場長の永江洋さんは、「無添加で、子どもから大人まで安心して食べていただける。料理にも使いやすい。落花生は、生活習慣病の予防や美肌に効果があり、腹持ちが良くダイエットも期待できます」と、説明する。
 商品のラインナップは、『ピーナッツバター』と『無糖ピーナッツバター』が、それぞれ粒ありと粒なし、夏季限定の『ココナッツピーナッツバター』、ベトナム料理シェフとのコラボ商品『ベトナムピーナッツソース』など。ドッグフードの『わんちゃんビスケット』は、1袋の売上につき1袋が県内の保護犬施設に寄付される。同社ホームページには、和洋中・エスニック・スイーツなど、ピーナッツバターを使用した料理のレシピが豊富に上がっている。「料理好きのお客様が多く、すすんで料理に使っていただいています。パンに塗って食べる以外の使い方を、商品のファンの方々にも教えていただきました」と、永江さん。「例えばポン酢とピーナッツバターを1:1の割合で合わせるとゴマダレの風味に。白和えもゴマの代わりにピーナッツバターを使うことができます」

写真・左から
代表・中野剛さん、
工場長・永江洋さん、
レシピの1つのピーナッツバターモンスター

社会と、自然と、繋がるファクトリー

 工場長の永江さんと同社の出会いは、ある雑誌がきっかけだった。「雑誌の小さな写真に、HAPPY NUTS DAYのピーナッツバターが写っていて、デザインがかわいかったので取り寄せたらおいしかった。マジックで書かれた少したどたどしい『ありがとう』という文字にも心を動かされました」。「この会社で働きたい」との思いで採用のあるたびに応募したものの、面接に3度も落ちてしまう。その後、自社工場を立ち上げるタイミングで、代表の中野さんから声がかかったのだという。永江さんの心に留まったありがとうの文字は、現在もオンライン注文の配送を委託している千葉市内の障がい者施設の作業員が書いたものだった。
 元幼稚園をリノベーションした『ファクトリー』は、3つの教室の壁を取り払い、『ガレージ』と呼ぶ大きな空間を創り出した。その空間では、平日は店舗として営業し、月に1度のオープンデイにはワークショップが開催される。ワークショップでは、すり鉢でピーナッツバターを作る体験ができる。またアートの展示スペースなどとしても活用され、人が集う場として賑わう。元々廊下だった部分が工場となり、ガラス越しに手作業の製造工程を見ることもできる。店舗では「わざわざ足を運んでくださった方のために」と、ファクトリー限定商品、大網白里市の『八八はちみつ』とのコラボで誕生した『ハニーピーナッツバター』を販売している。
 建物の屋上には300平米の太陽光パネルを設置し、工場の電力、社用の電気自動車は自然エネルギーで賄っている。その電力を活用して、実験的に落花生の屋内栽培に取り組む。「気候変動で、屋外の農業は難しくなっていく。千葉名産の落花生を守るために、将来に備えて屋内栽培に挑戦し、試行錯誤を重ねています」。また、6月からは本格的にアメリカ市場に参入した。ソウルフードの1つにピーナッツバターが挙げられるほどの『ピーナッツ大国』のアメリカ。「だからこそ挑み甲斐がある」と、永江さんの言葉には熱がこもる。「お客様を裏切らないよう、これからもより良いものを届けていきたい。千葉の落花生は世界一のポテンシャル。千葉の落花生への恩返しも含めて、魅力を世界に伝えていきたい」。商品はオンラインをはじめ電話でも注文可能。8月のオープンデイなど、詳しくはホームぺージか、問合せを。

問合せ:HAPPY NUTS DAY
山武市蓮沼ハ5373
Tel.0475・51・0200
平日9時~17時
HP:https://happynutsday.com/

写真・左から
・平日は店舗、オープンデイにはワークショップも開かれるガレージ

・自社工場と店舗が入ったファクトリー外観