CITYLIFE 地域情報紙シティライフ ふるさとビジター館 自然探訪~一日花のマツヨイグサ~ 2025.07.24 夕方に散歩するとマツヨイグサ(待宵草)という黄色い花に出会える。大きさ3~5㎝で翌朝には黄赤色に変わり、しぼんでしまう1日花。秋まで次々と黄色い花を咲かせる。花弁は4個。しぼむと赤くなる。 この花の名前をヨイマチグサ、あるいはツキミソウと混同している方が多いという。竹久夢二が「待てど暮らせど来ぬ人を宵待草のやるせなさ」と待宵草を宵待草と間違え、 太宰治が富獄百景に「富士には月見草がよく似合う」とマツヨイグサを月見草と間違え、世に広まったらしい。また間違えた名前を別名と表記されているものもあり、混同に拍車をかけている。 マツヨイグサ(待宵草)はアカバナ科マツヨイグサ属でチリ原産の2年草。大きいものは高さ1m、紫褐色を帯びる茎はまばらに毛が生える。葉は互生、長さ5~13㎝の線状披針形。北アメリカ原産のオオマツヨイグサ(大待宵草)とメマツヨイグサ(雌待宵草)は黄色い花がしぼんでも赤くならない。メキシコ原産のツキミソウ(月見草)は白い花が咲き翌朝に淡桃色になってしぼむ。 名前がどうであれ、夕方になれば黄色い花が咲きだし、夜を彩り翌朝にはしぼんでしまう。市原の自然は夜も豊かで美しい。 (ナチュラリストネット/野坂伸一郎) ◇ナチュラリストネット/自然を愛する仲間の集まりです。豊かな自然環境をいつまでも永く残したいと活動しています。