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ふるさと点描~小湊鐡道 馬立駅~

 馬立駅(うまたてえき)は小湊鐡道線の駅で、市原市馬立に位置しています。1925年(大正14年)3月7日に開業し、木造の駅舎は国の登録有形文化財に指定。当時の姿をよく残しており、天井や出札口、荷物扱口の造作など、どこか懐かしさを感じさせる佇まいです。ドラマや映画のロケ地としても使われることがあります。
 駅は相対式ホーム2面2線を持つ地上駅で、現在は無人。自動券売機が設置され、2020年度の1日平均乗車人員は約150人と静かな駅ですが、地域に根ざした存在です。近くには小学校や病院、郵便局などがあり、生活拠点としても機能しています。
 駅名の由来および「馬立」という地名には諸説あり、鎌倉時代にこの地で馬の競りが行われたことや、馬の集結地だったという説があり、歴史の香りを感じさせます。周辺には田園風景が広がり、のどかな里山の雰囲気が漂います。かつてこの地には「神舞園(しんぶえん)」という先進的な農園があり、明治時代の女性農業家・石子さんが切り盛りしていたという逸話も残っています。観光列車「房総里山トロッコ」も停車する駅で、汽笛が響く夕暮れや四季折々の風景などを楽しむことができます。
(市原市写真連盟 南市原写真クラブ 外山和義)