CITYLIFE 地域情報紙シティライフ 懐かしのシネマ~エンニオ・モリコーネ~ 2025.07.31 映画音楽第3弾、エンニオ・モリコーネの世界をお届けします。1928年11/10、ローマ生まれ、2020年7/6、91歳没。サンタ・チエチーリア音楽院で作曲技法を学び、映画音楽家デビューは1960年代(S30年代後半)。 私が彼の音楽を知ったのは、他社の宣伝マンから「マカロニ・ウエスタン(伊国製西部劇)」の試写に誘われ、セルジオ・レオーネ監督の名作「荒野の用心棒」「夕陽のガンマン」「続・夕陽のガンマン」を見たときです。米国西部劇の音楽と違い親しみを感じました。レオーネ監督は黒澤明監督の「用心棒」を見て感銘を受け「荒野の用心棒」を制作、音楽にモリコーネを選びますが、以降、この二人が組んだ作品は名作揃いとなります(ちなみに前述3作の主演はクリント・イーストウッド。彼は「ダーティ・ハリーシリーズ」の主演で大スターに、今では監督・主演等で活躍中)。 モリコーネは他の監督のマカロニ・ウエスタン作品も数多く担当し、「夕陽の用心棒」「続・荒野の1ドル銀貨」「さすらいのガンマン」「群盗荒野を裂く」「新・夕陽のガンマン」「復讐のガンマン」「血斗のジャンゴ」など、その多くが仏・伊・西・米各国で大ヒット。叙事詩的マカロニ・ウエスタンの映画音楽家として高い評価を得ました。その後も伊・仏・米国の映画監督から依頼を受けて作曲、今も多くの作品が称賛されています。その主な受賞作品をご紹介。 ◇1971年(S46年)死刑台のメロディ 伊、監督ジュリアーノ・モンタルド、俳優ジャン・マリア・ボロンテ。ナストロ・ダルジェント賞・作曲賞 ◇1985年(S60年)ワンス・アポン・ア・タイム・イン・アメリカ 米、監督は前述の巨匠、セルジオ・レオーネ(遺作)、俳優ロバート・デ・ニーロ。英アカデミー賞・作曲賞 ◇1987年(S62年)アンタッチャブル 米、監督は名匠ブライアン・デ・パルマ、俳優ケビン・コスナー。英アカデミー賞・作曲賞 ◇1990年(H2年)ニューシネマ・パラダイス 伊、監督ジュゼッパ・トルナトーレ、俳優フィリップ・ノワレ、英アカデミー賞・作曲賞、ダヴィッド・ディ・ドナテッロ賞・作曲賞 ◇1999年(H11年)海の上のピアニスト 伊、監督ジュゼッパ・トルナトーレ、俳優ティム・ロス、ゴールデングローブ賞・作曲賞、ダヴィット・ディ・ドナテッロ賞・作曲賞 日本では2003年(H15年)、NHK大河ドラマ「武蔵MUSASHI」の音楽を担当し、2019年(R元年)に旭日小綬章を受章しました。 ※今回のお薦め!上記の「ニューシネマ・パラダイス」:物語と音楽がマッチした、世界中をあたたかい涙と優しい愛で包んだ映画史に残る感動作です。 (文中、一部引用あり) ◇黛葉(まゆずみ・よう) 茂原市在住。1942年生。元映画配給会社宣伝プロデューサー。現役時代は年200本以上を鑑賞、現在、放送された洋邦画の録画DVDは1100枚以上にのぼる。