万葉集に詠まれた市原のうた
- 2014/1/24
- 市原版

日本に現存する最古の和歌集が『万葉集』だと知っている人は多いだろう。では、万葉集の中で千葉についてどれほど詠まれているか知っているだろうか。
昨年12月、市津公民館主催で開かれた『万葉集の旅、千葉市原のうた』講座では、タウン紙で千葉に関わる万葉集コラムを執筆している伊藤大仁さんが万葉集の基礎用語を交えながら解説した。「万葉集は仁徳天皇から淳仁天皇まで400年間の歌約4500首を全20巻に収めた最古の歌集。天皇から庶民まで幅広く採録されている。編纂者は奈良期の歌人大伴旅人の子どもの家持でしょう」と伊藤さん。この日集まった26名の受講者は静かに耳を傾ける。
千葉県に関連する万葉歌は46首。このうち市原市に関する歌は9首もあって最多。当時市原が房総の中心だったことがうかがえる。講座では万葉集から読み解く菊間や郡本などの歴史も紹介しながら歌の心情を辿った。出立が迫る防人が無事を祈って詠んだ歌や、防人を見送る妻が人目を忍んで涙を流す歌など一見難しそうだが、読み解けば果てしないロマンが広がる。
伊藤さんは、「市原市は風の神を祀る神社が多い。それは現在まで続く海上国造末裔の海上氏の出自に関係するのでは」と伊勢風土記の記述を紹介。そして、「万葉集の舞台を歩くと地元の人でも知らない場所であったり、万葉歌碑が建っていたりとさまざまな発見に出会えると思います。ぜひみなさんも歩いてみてください」と続けた。
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