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ふるさとビジター館 いちはら自然探訪 キイトトンボ
- 2020/7/9
- シティライフ掲載記事, 市原版
- ふるさとビジター館

トンボはどんな色?と尋ねると、「アカトンボ」などに歌われるような赤、オニヤンマのような黒と黄色の縞模様、シオカラトンボの粉を帯びた灰青色、そのメスであるムギワラトンボのような褐色などの答えが多いと思う。今回紹介するキイトトンボは、名前の通りほぼ全身鮮やかな黄色の、イトトンボの仲間である。
全長31~45ミリ。目や胸は黄緑色だが、オスの腹は菜の花のように明るく鮮やかな黄色。先端上部が黒色で、そのコントラストも美しい。メスは、ほぼ全身黄緑色。イトトンボの多くは湖沼に生息、浮葉植物の間を行き来しており、水の色に溶け込むような青色をした種類が多い。一方、キイトトンボは、湿地の抽水植物が多い場所に生息、植物の色に溶け込むような黄色や黄緑色をしていると推定される。保護色である。
飛び方も面白い。滑らかな直線的ではなく、ツンツンと小刻みにゆっくり前進する。繁茂する植物の間を飛翔しながら、小さな昆虫を捕えるのに好都合なのだろう。大食漢のようで、時にはイトトンボも捕食することがあるそうだ。
北海道や南西諸島を除いてほぼ全国的に分布するが、千葉県レッドリスト2019ではCの要保護生物。市原市近郊でも生息域が限られており、水辺の環境を保全していくことが、彼らを守ることにつながる。
(ナチュラリストネット/岡嘉弘)
ナチュラリストネット
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